ロスカットとは?FX初心者が覚えるべきロスカットルールや計算方法など基礎知識を解説
FXにはロスカットと呼ばれるルールがあります。ロスカットは「強制決済」とも呼ばれ、ロスカットについて知らない人でも、あまり良くない言葉であることがわかると思います。
ロスカットとはトレーダーの未決済ポジションを強制的に決済する仕組みのことを言います。最近ではコロナショックによって相場が大変動した際、「ロスカット」という言葉がTwitterのトレンドにランクインし、話題を呼びました。
ロスカットには良い面も悪い面もあるのですが、やはり発生させないことが一番です。そこで、ロスカットの仕組みから、防ぐ方法やロスカットされにくい会社などを、FX初心者向けに解説していきます。
【この記事の内容まとめ】
- ロスカット=ポジションの強制決済
- 含み損が増えるとロスカットが発生!
- ロスカット基準はFX会社によって違うので、ロスカット基準が低い会社を選ぶとロスカットされにくい
- 最もおすすめなのは、ロスカットが証拠金維持率50%未満で発動するFXTF
目次
ロスカットとは?どうなると発生する?
画像引用元:ロスカットについて|みんなのFX(2020年5月18日取得)
ロスカットはFXの取引において、証拠金維持率が低下すると発生するものです。
証拠金維持率が低下しているわけですので、含み損が大きくなると発生する仕組みです。
ロスカットが発生してしまった場合、その時点での含み損が確定してしまいます。
つまり大きな損失が確定してしまう可能性がありますので、なるべく避けなければならないことです。
ただ言い換えると、自分では損切りできないトレーダーであっても、最終的には強制的に損切りされてしまいます。
ロスカットは損失が無限に膨らんでしまうのを防ぐ仕組みなのです。
強制ロスカットは悪じゃない!投資家を守る最後の手段
実はこのロスカットがあるからこそ、トレーダーは借金をせず手持ちの資金を失うだけで済むようになっているのです。
ロスカットは悪い印象を持たれていることもありますが、トレーダーを保護するための有用な仕組みと言えるのです。
ただし、相場が急激に変動した場合になどは、ロスカットの発生が遅れてしまうこともあります。
この場合、自分の資金よりも損失が大きな状態で確定してしまうことがあります。
そうなってしまっては、ロスカットが発生しても借金状態となるので注意はしなければなりません。
あくまでもロスカットはトレーダーを守る最後の手段です。
ロスカットがあるから万が一の時も大丈夫と過信をしていると、大きな損失が確定してしまい痛い目を見る可能性があります。
ロスカットラインの計算やシミュレーションツールを使って管理しよう
画像引用元:ロスカットシミュレータ 詳細│FX投資を始めるなら外為どっとコム(2020年5月18日取得)
ロスカットを防ぐためには、ロスカットが発生するタイミングであるロスカットラインを計算し、このタイミングまでに約定することが大切です。
ただ、その都度証拠金維持率やFX会社によって設定されているロスカット率などを踏まえて、ロスカットラインを計算することは大変なことです。
そこでおすすめしたいのは、ロスカットラインを計算してくれるシュミレーターを利用することです。
例えばシミュレーターには以下のものがあります。
このようなシュミレーターを利用すると、ロスカットが発生するまでの値幅が分かりやすくなります。
自分なりの対策も練れるようになりますのでおすすめです。
ロスカットを回避する4つの方法
ロスカットを回避するためにはどのような対策を取れば良いのでしょうか。
以下ではロスカットを防ぐための方法について4種類をご紹介します。
- 証拠金を増やす:証拠金を増やすと証拠金維持率が回復するので、簡単にロスカットを防げる
- ポジションを決済する:ポジションを減らすと必要な証拠金が減るのでロスカットを防げるが、損失も確定する
- レバレッジを抑える:実行レバレッジを下げることで実質的に証拠金を増やせる
- ロスカットされにくいFX会社を使う:そもそもロスカット水準はFX会社によって異なるので、水準値が低い会社を使えば当然ロスカットされにくい
証拠金を増やす
ロスカット防ぐ方法の中でも、最も簡単なものが証拠金を増やすことです。
上記でも説明したとおり、ロスカットは証拠金維持率が低下することによって発生します。
言い換えると証拠金維持率を高めることでロスカットが回避できますので、証拠金を増やせば良いのです。
ただ、証拠金の入金には時間が必要となってしまうことがあります。
リアルタイムに入金できるFX会社もありますが、利用している金融機関によっては入金に時間がかかってしまうこともあります。
時間がかかってしまうと、その間に証拠金不足となりロスカットが発生してしまう可能性もあります。
そのようなことを発生させないためにも、証拠金を増やす場合には、ロスカットが発生するよりも早い段階で証拠金の入金手続きをしておかなければなりません。
リアルタイムに入金できる場合でも急激な相場の変動に備えて、余裕を持った入金をするに越したことはありません。
また、DMM FXやGMO外貨には追加証拠金制度(追証)がありますので、証拠金維持率が低下すると証拠金の入金をほぼ強制的に求められることがあります。
これはロスカットとは別の観点ですが、証拠金を増やすことをまずは意識しなければなりません。
ポジションを決済する
保有しているポジションを決済することもロスカットを防ぐ方法です。
ポジションを約定することによって、必要な証拠金が少なくなります。
現在預け入れしている証拠金に対して求められる証拠金が少なくなりますので、証拠金維持率が高まりロスカットを防げるのです。
もちろんポジションを決済すると含み損があった場合にはそれが確定してしまいます。 なかなか損切りができないという人もいることでしょう。
しかし、そのまま含み損が多くなるとロスカットが発生してしまう可能性があります。
ロスカットの発生が続くと結局すべての資産を失うことになりかねません。
そのようなことを踏まえると、損切りでもポジションを決済して証拠金維持率を高め、ロスカットを防いだ方が賢明です。
レバレッジを抑える
画像引用元:FXのロスカットとは?取引をする上で重要な意味が!|みんなのFX(2020年4月20日取得)
レバレッジを抑えることもロスカットを防ぐ方法です。
FXの取引をする人の中には、FX業者のレバレッジ限界のハイレバレッジで取引をしている人がいるでしょう。
しかし、一攫千金を狙ったハイレバレッジの取引は、急激な相場変動に耐えられずロスカットされてしまう可能性が高まります。
ロスカットを防ぐという観点では、レバレッジは3倍程度と低い値になるように調節することが重要です。
ロスカットされにくいFX会社を使う
ロスカットされにくいFX会社を利用する方法もあります。
どのタイミングでロスカットされるのかというロスカットラインはFX会社によって異なります。
例えば証拠金維持率が90%でロスカットする会社もあれば50%でロスカットする会社もあります。
ロスカットを防ぐという観点からは、後者の50%でロスカットする会社を利用するべきです。
ただ、ロスカットが発生するタイミングが遅いということは、それだけ資産を失う可能性も高いという点に注意しなければなりません。
会社名 | ロスカット基準 |
---|---|
GMOクリック証券 |
証拠金維持率が50%未満となった場合 |
FXTF |
証拠金維持率50%を割り込んだ場合 |
楽天FX |
証拠金維持率が50%を割り込んだ場合 |
GMO外貨 |
証拠金維持率が50%以下となった場合 |
DMM FX |
証拠金維持率が50%以下となった場合 |
SBI FXトレード |
証拠金維持率が50%以下となった場合 |
FXプライムbyGMO「選べる外貨」 |
証拠金維持率が80%を割り込んだ場合 |
みんなのFX |
証拠金維持率100%を割り込んだ場合 |
ヒロセ通商「LION FX」 |
有効比が100%を下回った場合 |
JFX「MATRIX TRADER」 |
有効比率が100%を割り込んだ場合 |
サクソバンク証券 |
有効比率が100%を割り込んだ場合 |
外為ファイネスト |
証拠金維持率が100%になった時点、またはそれを下回った時点 |
ロスカットされにくいおすすめFX会社
ロスカット基準はFX会社によってまちまちですので、選択する際はロスカットラインが低く追証がない会社がおすすめです。
ただこの条件だけではいくつもの会社がヒットしますので、さらに条件を付け加えて2つの会社を紹介します。
FXTF:証拠金維持率50%未満でロスカット!低スプレッドも魅力
画像引用元:メタトレーダー4[MT4]で24時間取引可能!口座開設なら【ゴールデンウェイ・ジャパン】(2019年10月10日取得)
ロスカットラインが証拠金維持率50%未満と低く設定されているFX会社です。
国内のFX会社の中では特に低いロスカットラインが設定されています。
ロスカットされるタイミングが遅いだけではなく、FXTFは主要通貨のスプレッドがダントツで狭いことも魅力的です。
例えば日本で取引してる人の多いドル円はスプレッドが0.1銭です。
他社では0.3銭程度に設定されていることもあり、スプレッドの狭さが伺えます。
また、比較的スプレッドが大きく設定されやすいポンド円もスプレッドは0.7銭です。
こちらも他社であれば1銭以上のスプレッドになることもありますので、ダントツで低いスプレッドが設定されているといえます。
ロスカットラインの低さとスプレッドの狭さの両面からおすすめのFX会社です。
手数料 | 通貨ペア数 | 最小取引単位 |
---|---|---|
無料 | 30 | 1000 |
スプレッド | ||
ドル円 | ユーロ円 | ポンド円 |
0.2銭 | 0.4銭 | 0.6銭 |
ロスカットのされにくさで選ぶならFTXF!ロスカット基準が他社よりも低い。さらにドル円スプレッド0.1銭など、スプレッドの低さも際立つ特徴。
SBI FXトレード:証拠金維持率50%以下でロスカット!少額取引が魅力
画像引用元:SBI FXトレードは取引手数料0円、スプレッドも業界最狭水準にてご提供(2020年4月30日取得)
SBI FXトレードは証拠金維持率が50%以下になることでロスカットが発生するFX会社です。
上記のFXTFは50%未満でロスカットが発生しますので、条件が微妙に異なることには注意しましょう。
こちらのSBI FXトレードもスプレッドが狭いことが特徴ですが、それに加えて最小1通貨単位からトレードできることが特徴です。
他のFX会社は大半が1000通貨単位からの取引です。
つまり1/1000の単位からFXの取引が可能となるのです。
小さな単位で取引ができるということは、必要となる証拠金も少なくなるということです。
超少額からFXを体験できることが魅力的な会社です。
手数料 | 通貨ペア数 | 最小取引単位 |
---|---|---|
無料 | 34 | 1 |
スプレッド(1,001〜10万通貨) | ||
ドル円 | ユーロ円 | ポンド円 |
0.19〜7.80銭 | 0.40~15.80銭 | 0.90~18.80銭 |
ロスカット基準の低さに加えて、最小1通貨単位で取引できるので、超低リスクでのトレードが可能。また、1,000通貨以下でのトレードならタダでさえ狭いスプレッドがさらに狭まる。
ロスカットされないように資金に余裕を持ってトレードしよう
FXの取引においてロスカットすることはFX会社の義務となっています。
どこの会社を利用してもロスカットを拒否することは不可能です。
これはトレーラーを守るための仕組みですので、やむを得ないものです。
そのように考えると、私たちがしなければならないことは、ロスカットが発生しないように資金に余裕を持つことです。
証拠金を増やし証拠金維持率が高いまま取引することを心がけましょう。