FXのスプレッドとは?狭い・拡がりにくい会社を徹底比較!
FXでは取引をする際に、①通貨ペアを決める、②「買い」または「売り」を決めてから取引をしますが、その際には必ずスプレッドを考慮しましょう。
スプレッドとは、売値と買値の価格差のことです。「スプレッドが3pips(ピプス)」と表します(日本円を含んだ通貨ペアの場合は「pips」ではなく「銭」を使います)。この価格差(=スプレッド)こそがFX会社の儲けにあたり、スプレッドが狭ければ狭いほど「取引コスト」が安くなることを意味します。
つまりなるべくスプレッドが狭いFX会社で取引を行えば、実質的に利益を確保できることと同様になるので、スプレッドが狭いFX会社はそれだけで人気があります。
今回の記事では、FX会社の通貨別スプレッドを比較し、さらにスプレッドを考慮したおすすめのFX会社を3つ紹介していきます。
目次
国内FX会社のスプレッドを通貨別に比較
スプレッドは会社毎に違います。さらにその会社の中でも、通貨ペアによってまた違います。
通貨ペアに関しては、どの会社でもドル円(USD/JPY)やユーロドル(EUR/USD)など世界的に取引量が多い通貨ペアは、スプレッドが狭い傾向にあります。一方で、取引量の少ないマニアックな通貨ペアはスプレッドを広く設定しているFX会社が多いです。
まずは主要FX会社において、以下の人気通貨ペアのスプレッドを紹介していきます。
- USDJPY(ドル円)
- EURUSD(ユーロドル)
- EURJPY(ユーロ円)
- GBPJPY(ポンド円)
- AUDJPY(豪ドル円)
会社名 | USDJPY | EURJPY | EURUSD |
---|---|---|---|
マネーパートナーズ パートナーズFXnano |
0.0銭※1 | 0.0銭※1 | 0.1銭 |
FXTF |
0.2銭 | 0.4銭 | 0.3銭 |
みんなのFX |
0.2銭 | 0.4銭 | 0.3銭 |
ヒロセ通商「LION FX」 |
0.2銭 | 0.4銭 | 0.3銭 |
JFX「MATRIX TRADER」 |
0.2銭 | 0.4銭 | 0.3銭 |
DMM FX |
0.2銭 | 0.5銭 | 0.3銭 |
GMOクリック証券 |
0.2銭 | 0.5銭 | 0.3銭 |
※:2024年04月16日時点での情報です。最新情報は公式サイトをご確認ください。
※1:原則固定(例外あり)
※1:メンテナンス時間を除く
※1:キャンペーン期間(ドル円):4月22日~11月29日
※1:対象時間(ドル円):8時~28時
※1:対象時間(ユーロ円):9時~27時
※1:対象時間(ユーロドル):24時間
以上の通り、いずれの通貨ペアにおいてもFXTFの狭さが際立ちます。
この会社は初めて耳にする方も多いと思います。確かに元々はたいした特徴もない会社でしたが、2019年9月に、突如「日本No.1 最狭スプレッド挑戦計画」を打ち出し、常に他社よりも狭いスプレッドを配信するよう努めるという宣言を出しました。
その後、まさにその宣言どおり最狭スプレッドを提供し続けており、今最も注目したいFX会社です。
- USDJPY、EURUSD、EURJPY、GBPJPY、GBPUSD、AUDJPY、NZDJPYいずれも他社より低スプレッド(午前8時から翌日午前5時まで)
- 1,000通貨単位での取引が可能
- デモ口座も使えるので、MT4の練習が可能
手数料 | 通貨ペア数 | 最小取引単位 |
---|---|---|
無料 | 30 | 1000 |
スプレッド | ||
ドル円 | ユーロ円 | ポンド円 |
0.2銭 | 0.4銭 | 0.6銭 |
FXTFはそのスプレッドの狭さが最大の魅力。ドル円スプレッドはわずか0.1銭であり、極限までコストを抑えて取引可能。スプレッドの配信率もダントツで、安定して狭いのが強み。取引ツールはMT4なので、様々なインジケーターを利用可能。
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.- ドル円:1万通貨につき2円
- ドル円以外:1万通貨につき5円
注意:スプレッドは広がることもある
スプレッドは取引手数料とは異なり、固定化されていません、急激な相場変動時にはスプレッドが拡がる=手数料が高くなることもあります。
そのためスプレッドを比較する際には、狭さだけでなく拡がりにくさにも注目してください。スプレッドが表示通りに配信されているかどうかは、「配信率」や「提示率」と言われ、こちらもデータが公表されています。
会社名 | 配信率 | 測定期間 |
---|---|---|
みんなのFX |
97.81% | 2021年2月22日~2021年3月19日の月曜日午前7:10~土曜日午前6:50 |
FXTF |
96.25% | 2021年3月1日~3月26日の月曜日午前7時05分 ~土曜日 午前6時50分 |
GMO外貨 |
99.06% | 2021年3月1日~3月26日の月曜日午前7:00~土曜日午前6:50 |
SBI FXトレード |
100%(1〜1,000) | 2021年3月1日~2021年3月26日 月曜日午前7:00~土曜日午前6:30 |
OANDA証券 |
98.13 | 2021年03月22日から2021年03月26日 M9:00~翌日AM4:00 |
DMM FX |
96.24% | 2021年3月1日 ~ 2021年3月26日の月曜07時00分~土曜05時50分 |
ヒロセ通商「LION FX」 |
95.4% | 2021年3月1日~3月26日の月曜AM 7:00~土曜AM 6:00 |
GMOクリック証券 |
非公表 | 非公表 |
楽天FX |
非公表 | 非公表 |
FXプライムbyGMO「選べる外貨」 |
非公表 | 非公表 |
外為オンライン |
非公表 | 非公表 |
また、過去に相場が大変動した時のスプレッドについて紹介します。
参考:2019年1月3日のフラッシュクラッシュ時のスプレッド
2019年1月3日早朝に円が絡む通貨ペアのほとんどが瞬間的に大暴落する(フラッシュクラッシュ)という事態が発生しました。ドル円は5分の間で109円台から104円近くまで約500pips下がりました。
余談ですが、このフラッシュクラッシュが発生した原因は、諸説ありますが以下の3つが重なったためと言われています。
- アルゴリズムを用いた市場取引、人間のスピードでは扱えないスピードで取引が行われた
- 世界的にも極端に相場の流動性が低い時期・時間帯だったこと
- アップル社の株価が大暴落したこと
この2019年1月3日のフラッシュクラッシュ発生時は、とてつもなく大きなスプレッド差が各通貨ペアで発生し、大暴落とともに多くのトレーダーを混乱させる結果になりました。
ここでは1月3日のドル円(USD/JPY)のフラッシュクラッシュ時の各FX業者のスプレッド差の一例を紹介します。
【各FX業者のフラッシュクラッシュ時のスプレッド一覧】
- ヒロセ通商(LION FX):約110pips ※人によっては200pips近くのスプレッドを表示されていた人も
- 楽天FX:約100pips
- セントラル短資:約100pips ※さらにレート配信が約17分の間止まる事態が発生
- みんなのFX:約100pips
- JFX:約70pips
- DMMFX:約45pips
- GMOクリック証券 ※レート配信は約8分停止した
- GMO外貨:4pips ※スプレッド差は少なかったが約14分近くレート配信が止まる事態に
- FXプライムbyGMO:2.6pips
- SBIFX:0.27pips ※この事態でもスプレッド差が原則固定の最低スプレッドになっているので、今回の暴落ではしっかりと約定された
ヒロセ通商やセントラル短資では原則固定の約0.3pips~と謳われていますが、1月3日のフラッシュクラッシュ時には、約100pips近くのスプレッド差を提供する形になり、評価を下げる形になってしまいました。
楽天FXは動作が不安定なことは前々から言われていましたが、ここでも大きなスプレッドになっています(そして案の定、新型コロナウイルスによる大暴落時にもログインできないという大失態を犯しました)。
また、このような大暴落時にレート配信が止まってしまうのは致命的であり、特にセントラル短資とGMO外貨は10分以上レート配信されませんでした。改めて、このような不測の事態が発生した場合に、サーバーの強さも考慮すべきであるというのを再認識させられる結果となりました。
このように、普段のスプレッドだけでなく、有事の際の拡がり加減についても、可能な限り把握しておくと良いでしょう。
スプレッド変動性の会社は有事に強い
フラッシュクラッシュ時のスプレッド一覧で紹介した会社はいずれも原則固定のスプレッドを提供しています。一方で変動制のスプレッドを提供しているFX会社もあります。例えば以下のFX会社はスプレッド変動性を採用しています(一部原則固定性の通貨ペアもあります)。
- 外為ファイネスト
- OANDA証券
- Forex Exchange
- EZインベスト証券
変動性を採用しているFX会社に関してもフラッシュクラッシュ時のスプレッドは広がりました。しかしながら、普段よりはスプレッドが広いものの、ほとんどの会社はドル円では約3~7pipsで収まる結果となりました。
通常、スプレッド変動性のFX会社は好まれませんが、有事の際は変動制を採用しているFX業者も一つの選択になるでしょう。なお、スプレッド変動性を採用しているFX会社は取引ツールをMT4としている会社が多いため、下記の関連記事も参考にしてください。
低スプレッド・広がりくいおすすめFX会社
スプレッドは取引コストになるため、スプレッドが狭い方がコストを抑えることができるのは周知の事実です。しかしながら、先ほど述べた通り、急激な為替変動が発生したときのことも考慮しなければなりません。
そこで、拡がりにくいという要素も含めて、おすすめできるFX会社を5社紹介していきます。
FXTF:ドル円スプレッド0.1銭!初心者でも勝ちやすいFX会社
画像引用元:メタトレーダー4[MT4]で24時間取引可能!口座開設なら【ゴールデンウェイ・ジャパン】(2019年10月10日取得)
まずおすすめするのが、やはり最狭スプレッド挑戦計画実行中のFXTFです。説明した通りスプレッドの狭さはトップです。さらにスプレッドの拡がりにくさに関してもずば抜けています。
元々午前8時から翌日午前5時までは原則固定性なのですが、今のところその時間内でスプレッドが拡がったことを見たことがありません。
配信率を見ても、99.98%という高い割合を維持していることから、いかに安定して低スプレッドを実現できているのかがよくわかります。スプレッドを重視してFX会社を選ぶなら、まずFXTFで間違い無いでしょう。
さらにFXTFは、取引ツールのMT4を採用しているというメリットがあります。MT4は世界共通規格の取引ツールで、インジケーターと呼ばれるアプリのようなものを組み込むことで、様々な分析ができるようになります。
例えば「レンジとトレンドを見分けるインジケーター」を使うことで、テクニカル分析に自信がない人でも、インジケーターが自動的に判断してくれるので、分析を助けてくれるでしょう。
特にFXTFで口座開設すると、40種類以上のインジケーターを無料で利用できるようになります。このような特典もあり、FXTFは広くおすすめできます。ぜひ試してみてください。
- USDJPY、EURUSD、EURJPY、GBPJPY、GBPUSD、AUDJPY、NZDJPYいずれも他社より低スプレッド(午前8時から翌日午前5時まで)
- 1,000通貨単位での取引が可能
- デモ口座も使えるので、MT4の練習が可能
手数料 | 通貨ペア数 | 最小取引単位 |
---|---|---|
無料 | 30 | 1000 |
スプレッド | ||
ドル円 | ユーロ円 | ポンド円 |
0.2銭 | 0.4銭 | 0.6銭 |
FXTFはそのスプレッドの狭さが最大の魅力。ドル円スプレッドはわずか0.1銭であり、極限までコストを抑えて取引可能。スプレッドの配信率もダントツで、安定して狭いのが強み。取引ツールはMT4なので、様々なインジケーターを利用可能。
SBI FXトレード:1,000通貨以下の少額取引ならスプレッド最狭!
画像引用元:SBI FXトレードは取引手数料0円、スプレッドも業界最狭水準にてご提供(2020年4月30日取得)
SBIFXトレードは、東証一部上場のSBIホールディングス株式会社の子会社であるSBIFXトレード株式会社が運営しています。SBIホールディングス自体が資本金920億円と超大企業であるため、バックアップ体制がしっかりとしており、様々な面でサポートが充実していることに定評があります。
SBI FXトレードのスプレッドは先に紹介したFXTFには劣ります。しかし、実は1,000通貨単位以下でのトレードなら、FXTFよりもスプレッドが狭くなります。
1,000通貨単位以下でトレードした場合のスプレッドはこちらをご覧ください。
そのため、1,000通貨単位以下の少額取引するならSBI FXトレードの方がおすすめです。
手数料 | 通貨ペア数 | 最小取引単位 |
---|---|---|
無料 | 34 | 1 |
スプレッド | ||
ドル円 | ユーロ円 | ポンド円 |
0.19〜7.80銭 | 0.40~15.80銭 | 0.90~18.80銭 |
SBI FXトレードはFXTFに次いでスプレッドが狭い。さらに1,000通貨以下の取引なら、そのスプレッドの狭さはナンバーワン!少額取引から始めたい初心者はSBI FXトレードが最適。
みんなのFX:スプレッド配信率が優秀!広がりにくい
画像引用元:FXをもっとやさしく「みんなのFX」(2019年9月27日取得)
みんなのFXもFXTFやSBI FXトレードには劣りますが、劣るとはいえそのスプレッドはドル円0.2銭であり、業界の中ではトップクラスに狭いと言えます。
そんなみんなのFXの特徴は、配信率が高いことです。つまり宣伝されているスプレッドをそのままの値で配信している割合が高く、スプレッドが拡がりにくいと言えます。
会社名 | 配信率 | 測定期間 |
---|---|---|
みんなのFX |
97.81% | 2021年2月22日~2021年3月19日の月曜日午前7:10~土曜日午前6:50 |
FXTF |
96.25% | 2021年3月1日~3月26日の月曜日午前7時05分 ~土曜日 午前6時50分 |
GMO外貨 |
99.06% | 2021年3月1日~3月26日の月曜日午前7:00~土曜日午前6:50 |
SBI FXトレード |
100%(1〜1,000) | 2021年3月1日~2021年3月26日 月曜日午前7:00~土曜日午前6:30 |
OANDA証券 |
98.13 | 2021年03月22日から2021年03月26日 M9:00~翌日AM4:00 |
DMM FX |
96.24% | 2021年3月1日 ~ 2021年3月26日の月曜07時00分~土曜05時50分 |
ヒロセ通商「LION FX」 |
95.4% | 2021年3月1日~3月26日の月曜AM 7:00~土曜AM 6:00 |
GMOクリック証券 |
非公表 | 非公表 |
楽天FX |
非公表 | 非公表 |
FXプライムbyGMO「選べる外貨」 |
非公表 | 非公表 |
外為オンライン |
非公表 | 非公表 |
配信率は公表を義務付けられているものではなく、場合によっては非公表にしても構いませんが、みんなのFXは公表しています。その結果、2020年の3月においてドル円スプレッドの配信率88.67%と、悪い値が出てしまいました。
しかし2020年3月といえば、新型コロナウイルスによる為替の大変動が起きた月でもあります。この期間はどの会社も大きくスプレッドが開き、配信率も大幅に低下しました。そのため、多くの会社がスプレッドの原則固定を休止しました。
一方みんなのFXは、そんな事態の中でもスプレッドの原則固定を維持しようと努めました。その結果、残念ながら88.67%となってしまいましたが、原則固定の維持に努め、また、結果的に配信率が低下したものの、しっかりと公表する姿勢には好感が持てます。
ちなみにDMM FXやGMO外貨など早々に原則固定を休止した会社は、休止前の配信率を提示し続けました。見栄えの良い過去のデータだけ掲載し続けたのはフェアではなく、個人的にはマイナスなイメージを抱きました。
もちろんこの点だけを見てみんなのFXは良い、DMM FXは悪い、と断言するわけではありませんが、少なくともみんなのFXはフェアな会社であると言えます。
手数料 | 通貨ペア数 | 最小取引単位 |
---|---|---|
無料 | 34 | 1000 |
スプレッド | ||
ドル円 | ユーロ円 | ポンド円 |
0.2銭 | 0.4銭 | 0.9銭 |
みんなのFXはコロナショック時でも原則固定スプレッドの維持に努めた実績あり。さすがにスプレッドが拡がるシーンもあったが、それでも88%以上の配信率を誇り、また、最後まで原則固定を諦めない姿勢は好感。実は申し込んだその日のうちに口座開設可能で、すぐにトレードできる。