両建ては意味がない？避けられないデメリットとは

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両建ては意味がない？避けられないデメリットとは

作成年月日 : 2022/06/27

為替と株の取引で両建てという手法があます。これは注文において買いと売りを同時に入れることを意味しています。買いはそのままの意味ですが、売りに関しては株では空売りとも言われており、これは「後で必ず買い戻す」ということを前提として行われるポジションです。いわば所有していないのに売りから入るという行為にあたり、投資の世界ならではの概念と言えるでしょう。

一般的な物の売買ではなかなか見られない手法ですが、こうしたことは株や為替の世界では多くの方に使われている手法です。

日々上下するチャートを眺めていると、「ここで買っていたら今頃はこんなに上がったのに」と感じることもしばしばあることだと思います。また逆も然りで、下がり続けているチャートを見れば売りから入り下がり切ってから買うのもアリではないかと考えるのもごく自然なことです。しかし、いざポジションを持つと結局思い描いていた動きと反対に行ってしまうのが相場というもの。そんな時に備えて、「買いと売り両方を持っておこう」という考えが両建てという手法になります。

一見メリットが多い両建ての落とし穴
両建てはなぜ意味がないのか
まとめ

一見メリットが多い両建ての落とし穴

同時に買いと売りを入れる方もいるかと思いますが、それではプラマイ0ではないかと思うかもしれません。基準点を同じにしてしまうとどちらをどこまで待つかということに利益の幅は影響してきます。

では買いからある程度時間をおいて上がってから売りで入れば良いのでは、と考える方も多いでしょう。そうすれば買いの利益が出ている状態で下がった分の差額も取ることができ、上手くいけば往復で利益を出せる手法のようにも思えます。

しかし、一般的に売りというのは株の世界でもそうですが割高な手数料が発生します。FXで言えばスプレッドがかかるというように表現されます。

しかもFXの場合は2国の通貨にてトレードするため、通貨の金利差というスワップポイントも発生します。ポジションを持ったまま日をまたぐと、通貨の金利差に応じたスワップポイントを受け取れる、もしくは引かれる仕組みなのですが、両建てしているとこちらはどんどん引かれてしまうという事態に。

それはほぼすべての通貨ペアは買いと売りのスワップポイントの合計がマイナスとなるようになっているので、両建てしている状態のポジションを長いこと保有すればするほど、スワップポイントが引かれてしまうのです。やはり手数料を考慮すると長くポジションを持っているだけで損失へと繋がってしまいます。

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両建てはなぜ意味がないのか

では、手数料を考慮して短いスパンでトレードすればよいのではと思うかもしれませんが、それはどちらかを早々に決済しなければなりません。それでは結局どちらかのポジションが残るので、決算後の相場変動を確実に見極められなければ意味がないと言えるのです。

そして、両建てしているとロスカットされないという特徴も挙げられます。もう少し待てば戻ったのに強制的に決済されてしまうということもなく、両建てしていればいずれチャンスに恵まれるという期待もできるでしょう。

しかし、前述したように所持しているだけでじわじわと資金は目減りしてしまうのが両建てです。強制ロスカットがされないままとはいえ、均衡状態とは言い難いのは資金的にも大きな負担となってきます。

そして、両建てしていれば強制ロスカットはされないというのが一般的には言われていますが、レート急変時にはスプレッドが拡大してしまいロスカットされる可能性はあります。他にも各通貨ごとにロスカットを実施していく会社もありますので、色々と注意をしなければ大きなリスクも持ち合わせています。その辺りも取り引きを始める前に十分注意しなくてはいけません。

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まとめ

両建てに関してのメリットはやはり、どちらにもポジションを入れておけば大きな損失は抑えられる手法となることです。しかし「買いは家まで、売りは命まで」という投資において格言があるように、売りは損失も莫大となってしまいます。

特にFXにおいては買いポジションでもレバレッジがかけられるので、大きく利益を得ようとして失敗すると手がつけられなくなるリスクがあるのです。そのような場合でも、両ポジションを入れておけば確かに死ぬような損失はないでしょう。

しかし、前述したように手数料が持てば持つほど負担となるので、利益を得られにくいトレードの代表例と言えるのです。精神的には負担が少ないので、見かけ上大きな損失は免れているのはメリットと言えるかもしれません。また、例外的にあまり利益を出しては困るという扶養家族の方の節税対策には一役買っているという一面はあります。

両建ては経済的な行動として何の意味もないという倫理的な意味合いで否定される場合も多いですが、上記の理由からやはり実際のトレードにおいて複雑で、利益も取りづらい手法です。思い描いた通りのトレードができなくなると精神的な負担も大きくなり、少しの利益にでもなれはと始めたはずが大きな損失にと繋がりかねません。単純な仕組みなようでしっかり理解しなければやはりリスクの高い手法ですので、両建てトレードをする際はデメリットやロスカットなどの制約も確認してから始めるようにしましょう。

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