前払金・前受金勘定：商品の受け取り前に代金を支払う・受け取る際の仕訳ルールや注意点を解説

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公開年月日 : 2018/07/06 更新年月日 : 2018/08/29

このページでは、商品の受け取り前に代金を支払う・受け取る際に使用する前払金勘定（資産グループ）と前受金勘定（負債グループ）の簿記上の扱い方と、取引時の仕訳ルールや注意点を解説します。

商品を購入した時、商品を受け取る前に予め手付金として商品代金を支払うケースがあります。

代金を支払った時点で商品を受け取る権利を持つことになるため前払金勘定（資産グループ）で処理します。

逆に販売前に代金を受け取った場合は約束通り商品を提供する義務が生じるため、前受金勘定（負債グループ）で処理をします。

これが、前払金・前受金勘定です。

日商簿記3級試験における、前払金・前受金勘定を使用した仕訳は次の2つの取引が発生した時に限ります。

前払金・前受金勘定の仕訳は下の図の通り、購入側は前払時と納品時、販売側は前受時と納品時、それぞれの取引が発生した時に仕訳をします。

支払・回収時（商品受渡前の支払）: 商品の受渡前に支払った場合、それぞれ前払金、前受金が増加し、購入側から販売側へ現金、当座預金などのお金の移動が発生します。
仕入・販売時: 商品の受渡したら、それぞれの前払金、前受金が消滅、仕入と売上が計上されます。

購入側の処理、前払金の仕訳について解説します。

東京商店は青森農園に商品を注文し、予め1,000円を現金で支払った

仕訳-前払金-支払時
借方科目	金額	貸方科目	金額
前払金	1,000	現金	1,000

商品を受け取る前にお金を支払ったときは、前払金勘定で処理をします。

前払金勘定は商品を受け取る権利を表す勘定科目のため資産グループになります。この取引では前払金勘定を借方（左側）、現金勘定を貸方（右側）に記入します。

東京商店は青森農園より以前注文した商品1,000円分を受け取った

仕訳-前払金-仕入時
借方科目	金額	貸方科目	金額
仕入	1,000	前払金	1,000

前払金勘定は商品を受け取る権利を表す勘定科目のため、商品を受け取った時点で消滅します。消滅するタイミングは仕入とセットと覚えましょう。仕入勘定を借方（左側）、前払金勘定を貸方（右側）に記入します。

販売側の処理、前受金の仕訳について解説します。

青森農園は東京商店より商品の注文を受け、前もって1,000円を現金で受け取った

仕訳-前受金-回収時
借方科目	金額	貸方科目	金額
現金	1,000	前受金	1,000

商品を渡す前にお金を受け取ったときは、前受金勘定で処理をします。前受金勘定は商品を提供する義務が生じるため負債グループの勘定科目になります。この取引では現金勘定を借方（左側）、前受金勘定を貸方（右側）に記入します。

青森農園は東京商店に対して商品1,000円分の引き渡しを行った

仕訳-前受金-販売時
借方科目	金額	貸方科目	金額
前受金	1,000	現金	1,000

前受金勘定は商品を提供する義務を表す勘定科目のため、商品の受け渡しが完了した時点で消滅します。従ってこの取引では前受金勘定を借方（左側）、売上勘定を貸方（右側）に記入します。

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