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仮払金・仮受金勘定:用途や金額が確定しない取引で行う仕訳や注意点を解説

公開年月日 : 2018/07/06 更新年月日 : 2018/07/07

このページでは、記帳する相手勘定科目や金額が確定しない取引で使用する仮払金・仮受金勘定を用いた仕訳ルールや注意点について解説します。

仮払金・仮受金とは

仮払金とは、現金で支払をしたが、記帳する相手勘定科目や金額が確定しない取引の時に使用する資産グループの勘定科目です。

例えば従業員が出張に行く前に出張費を渡した時。

しかし、出張を終えていなければ使った金額は決まりません。そこで、だいたいの金額を仮払金として渡し、出張後に精算処理を行います。

一方、現金を受け取ったがその時点では内容や金額が確定しない取引は仮受金勘定(負債グループ)で処理をします。

たとえば、出張中の社員から当座預金口座にお金が振り込まれていたが、目的がわからない場合は、一旦仮受金として計上し、内容が判明次第、振替処理をします(この取引例は試験に出題されるため紹介しましたが、本当にこんな会社があったら驚きます)。

仮払金の仕訳

仮払金の仕訳について解説します。

仮払金では相手勘定科目、金額が未確定な支払があった時と支払ったお金の相手勘定科目や金額が確定した時点で仕訳が発生します。

東京商店は社員の出張に際して、旅費として10,000円を現金で渡した

仕訳-仮払金-支払時
借方科目 金額 貸方科目 金額
仮払金 10,000 現金 10,000

出張時に社員に10,000円を渡していますが、全て旅費に使うとは限らないので、仮払金として処理をします。

仮払金は資産グループのため、この取引では仮払金勘定を借方(左側)、現金勘定を貸方(右側)に記入します。

東京商店は社員が出張から戻り、旅費が13,000円であったとの報告を受け、不足分を現金で支給した

仕訳-仮払金-確定時
借方科目 金額 貸方科目 金額
旅費 10,000 仮払金
現金
10,000
3,000

社員からの報告を受けて仮払金の用途と金額が確定したため仮払金を旅費に振替ます。

不足していた金額分は新たに現金で支給します。

したがって旅費勘定を借方(左側)、仮払金勘定と現金勘定を貸方(右側)に記入します。

仮受金の仕訳

仮受金の仕訳について解説します。

仮受金は相手勘定科目が未確定のお金を受け取った時、受け取ったお金の相手勘定科目が判明した時に、それぞれ仕訳が発生します。

東京商店は社員から当座預金口座に5,000円の振込があったが、その内容は不明である

仕訳-仮受金-受取時
借方科目 金額 貸方科目 金額
当座預金 5,000 仮受金 5,000

社員からの入金されたお金の用途がわからないため一旦仮受金として処理をします。

入金されたことは事実なので当座預金勘定を借方(左側)に記入、そして仮受金勘定を貸方(右側)に記入します。

当座預金に振り込まれた金額5,000円が取引先の売掛金回収分であることが判明した

仕訳-仮受金-確定時
借方科目 金額 貸方科目 金額
仮受金 5,000 売掛金 5,000

用途が不明だったので仮受金として処理していた内容が売掛金回収だと判明したため、売掛金勘定と仮受金勘定を振替ます。

従って仮受金勘定を借方(左側)、売掛金勘定を貸方(右側)に記入します。

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