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返品・値引き:商品売買の過程で生じる運賃、保険料などの諸費用の扱い、仕訳の方法を解説

公開年月日 : 2018/07/06 更新年月日 : 2018/07/06

このページでは、商品売買の過程で生じた返品・値引きの扱い方や仕訳の方法について解説します。

簿記上の取引における返品とは

返品とは発送した商品、受け取った商品が汚れていたりした時に商品を送り返すことをいいます。

仕入と販売、双方で発生しうる取引です。

八百屋を例に挙げると、

  • 腐った野菜を仕入先へ返品するパターン(仕入戻し)
  • 購入したお客さんから腐った野菜の返品を受け付けるパターン(売上戻し)

簿記における返品取引では、一度仕入と売上を計上した後に返品したケースが該当します。

返品の仕訳ルール・仕訳

先ほど解説した通り、返品処理には仕入と販売、双方で発生しうる取引です。

  • 仕入た商品を仕入先に返品する仕入戻し
  • 販売した商品が得意先から送り返される売上戻し

以上、2種類のパターンがあります。

まず、仕入戻しの仕訳から確認しましょう。

仕入戻しの仕訳は、商品を仕入れた時と逆の仕訳をします。

仕訳-返品-仕入戻し

仕訳-有価証券-売却①
借方科目 金額 貸方科目 金額
買掛金 200 仕入 200

商品を仕入れた時は、借方(左側)に仕入、貸方(右側)に買掛金を記入するので、返品時は逆の仕訳(反対仕訳) を記入します。

仕入勘定が取り消される(相殺される)ため仕入の取引自体がなかったことになります。

続いて売上戻しの仕訳を確認しましょう。

売上戻しの仕訳も、仕入戻しと同じく、商品を販売した時とは逆の仕訳をします。

7/15 東京商店に掛けで販売した商品の内 500円分が返品された

仕訳-返品-売上戻し
借方科目 金額 貸方科目 金額
売上 500 売掛金 500

販売の時と逆の仕訳(反対仕訳)をするだけです。

簿記上の取引における値引きとは

一般的に値引きとは、商品の値段を安くしてもらうことを指しますが、簿記における値引き取引は、仕入れた後、販売された後に値引きする取引が当てはまります。

買う前に「値引きしてよ~」と交渉して値引いてもらうケースは、簿記上では値引きとは言いません。これまで勉強した仕入れ処理と同じです。

値引きの仕訳ルール・仕訳例

値引きには

  • 仕入れた商品を値引きしてもらう仕入値引き
  • 販売した商品を値引きする売上値引き

2つのパターンがあります。

値引きの仕訳は返品の仕訳とまったく同じです。

まず、仕入値引きから確認しましょう。

仕入値引きの仕訳は、商品を仕入れた時と逆の仕訳をして仕入原価を変更します。

7/19 青森農園から掛けで仕入れた商品について 100円の値引きを受けた

仕訳-値引き-仕入値引き
借方科目 金額 貸方科目 金額
買掛金 100 仕入 100

商品を仕入れた時は、借方(左側)に仕入、貸方(右側)に買掛金を記入するので、値引き時は逆の仕訳(反対仕訳)を記入しましょう。

続いて売上値引きの仕訳を確認しましょう。

売上値引きの仕訳も、商品を販売した時と逆の仕訳(反対仕訳)をします。

7/20 東京商店に掛けで販売した商品について 150円値引きした

仕訳-値引き-売上値引き
借方科目 金額 貸方科目 金額
売上 150 売掛金 150

返品・値引きの仕訳によって一度計上した仕入、売上勘定が消滅します。

日商簿記3級の出題範囲の中で、収益・費用グループの勘定科目が消滅する稀な取引です。出題頻度の高い分野ですので覚えてください。

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