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金融庁の認可を受けた仮想通貨取引所は本当に安全?審査内容と現状から考えてみる

公開年月日 : 2018/05/21 更新年月日 : 2018/05/22

仮想通貨交換業者登録一覧

引用元:仮想通貨交換業者登録一覧(2018年5月22日取得)

平成29年4月1日から、日本国内で仮想通貨の取引所を運営するには金融庁の認可が必要になりました。

ただし、審査の途中であっても運営を行うことが可能で、このような取引所のことを「みなし業者」と呼びます。さらに、海外の取引所のほとんどが金融庁の認可を受けていません。つまり、認可が必要になったとはいえ、結局のところは認可を受けている取引所も、受けていない取引所も利用することはできる状況です。

では実際のところ、金融庁の認可を受けた取引所を利用した方が安全であると言えるのでしょうか?この記事では、金融庁が認可を与える上で、どのような点を審査していて、利用者にどのような影響を与えるのかを調査した結果を紹介します。

金融庁が審査している内容

金融庁が審査する内容は、金融庁公式サイトの仮想通貨交換業者の新規登録の審査内容等というページで公開されています。そこで記載されている審査項目は以下の3つですが、表現が回りくどいのでわかりやすく解説します。

① 利用者保護措置(事務ガイドラインⅡ-2-2-1)
・ 利用者に対する説明や情報提供を行うに当たっては、取り扱う仮想通貨や取引形態に応じて、内閣府令第 16 条第1項及び第2項各号、第 17 条第1項各号及び第2 項各号並びに第4項に規定された事項を説明する態勢が整備されているか(例えば、「法定通貨ではないこと」「価格変動に伴う損失リスクがあること」といった、取り扱う仮想通貨の特性について利用者に説明するための態勢が整備されているかなど)。

② 利用者が預託した金銭・仮想通貨の分別管理(事務ガイドラインⅡ-2-2-2)
・ 分別管理に係る社内規則に、金銭・仮想通貨それぞれについて、分別管理の執行方法が具体的に定められ、利用者との契約に反映しているか。
・ 自己の固有財産である金銭・仮想通貨と、利用者が預託した金銭・仮想通貨が、上記の執行方法に基づいて明確に区分され、個々の利用者の持分について、直ちに判別できることとしているか。また、その遵守状況について適切に検証することとしているか。

③ システムリスク管理(事務ガイドラインⅡ-2-3-1)
・ 取締役会は、コンピュータシステムのネットワーク化の進展等により、リスクが顕在化した場合、その影響が連鎖し、広域化・深刻化する傾向にあるなど、経営に重大な影響を与える可能性があるということを十分踏まえ、リスク管理態勢を整備しているか。
・ システムリスク管理態勢の整備に当たっては、その内容について客観的な水準が判定できるものを根拠としているか。
また、システムリスク管理態勢については、システム障害等の把握・分析、リスク管理の実施結果や技術進展等に応じて、不断に見直しを実施しているか。

引用元:仮想通貨交換業者の新規登録の審査内容等(2018年5月22日取得)

①では「利用者に事業内容やリスクなどが説明できているか」を審査すると記載されています。ZaifbitFlyerなどの認可を受けた取引所の口座を開こうとすると、注意事項などの確認を求められることがあります。金融庁の認可を受けるためには、このような説明を利用者に行う必要があるのでしょう。

②では「利用者が預けたお金と、会社が保有しているお金を分けて管理しているか」を審査すると記載されています。分けて管理されていれば、もしも取引業者が倒産してしまったとしても、利用者が預けたお金は返却することができるため、利用者は安心して自分のお金を預けることができます。

③では「システムの安全性」を審査すると記載されています。ハッキングなど外部からの攻撃に対する対策や、障害が発生した場合の対応能力などが万全に行われているかどうかを審査しているようです。

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結論:公表されている情報と現状から考えると、金融庁の認可を受けている取引所でも安全とは言い切れない

金融庁が公表している審査項目から、認可を受けた取引所であれば「預けたお金を適切に保管している」「システムの不正・不具合に対処できる能力を持つ」ということがわかると思います。

しかし、各審査ではどこまで踏み込んで調査しているのかは、この資料から具体的に知ることができません。実際に、認可を受けている株式会社テックビューロが運営している取引所のZaifで、昨年に不正出金やビットコインが0円で販売されるなどの不具合が立て続けに発生したこともあり、認可を受けたからといっても信用できないということがわかります。

以上を考慮すると、金融庁による認可を受けた取引所とはいえ、絶対に安全だとは言い切れないのが現状だと考えられます。安全性を重視して取引所を選ぶ場合、金融庁の認可の有無だけで判断するのではなく、公式サイトに記載されている情報や口コミを見て判断する必要があるでしょう。また、購入した仮想通貨はハードウェアウォレットで保管するなどして自己防衛を怠らないよう気をつけましょう。

関連記事:
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認可を受けることで、規制に従わなくてはいけない

公表されている審査項目は先に紹介した3点ですが、それ以外にも、扱っているコインの種類も審査対象になるのではないかと思われます。

このように推測する根拠は2つあります。1つは、コインチェックを買収したマネックス証券が、金融庁の認可を得るために、匿名性の高いコインの取り扱いを中止すると宣言したからです。もう1つは、認可を受けている取引所の中で、同じように匿名性が高いと言われるダッシュ(DASH)、モネロ(XMR)、ジーキャッシュ(ZEC)、オーガー(REP)を扱っているところがないからです。

匿名性が高いコインは資金洗浄に使われ悪用される恐れがあるため、金融庁としては流通してほしくない思惑があるのだろうと思われます。一方で匿名性が高いコインには、プライバシーや個人情報の流出を防げるというビットコインにないメリットがあり、需要が伸びる可能性があります。しかしこのままでは日本の取引所では匿名性の高いコインを購入できなくなる可能性があります。

また、これも推測ですが、認可を受けるにはFXや信用取引でのレバレッジを25倍以内に収める必要があると考えられます。なぜなら法定通貨のFXでは、利用者保護のためレバレッジ25倍以内という規制がすでにあるため、仮想通貨のFXにおいても25倍以内が認可の目安になっている可能性があります。実際に、現在認可を受けている取引所は全て、FXや信用取引などでかけられるレバレッジが25倍以内です。

このように、認可を受けるためには取扱通貨や取引方法も自主規制しなければいけないと推測されます。このような規制は利用者にとって必ずしも歓迎できるものではなく、仮想通貨ブームに水を差すことになりかねません。金融庁には、引き締めるところをしっかり締めてもらい、利用者の利益になりえる部分は緩和してほしいところです。

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2018年4月20日時点での認可状況

最後に、この記事では「認可の有無だけで取引所を選ぶな」という結論に至りましたが、「そう言われても自分は認可を受けた取引所を利用したい」という人のために、記事執筆時点での主要取引所の認可の有無についてまとめておきます。

認可を受けている主な取引所

取引所名 扱っているコイン
販売所 取引所
QUOINE BTCETHBCH、QASH、XRP
bitFlyer BTC、ETH、ETC、LTC、BCH、MONA、LSK BTC、ETC、BCH
ビットバンク BTC、ETH、XRP、LTC、MONA、BCC
GMOコイン BTC、ETH、BCH、LTC、XRP
BitTrade BTC、XRP、LTC、ETH、MONA、BCC
BTCボックス BTC、BCH、ETH、LTC
ビットポイント BTC、ETH、XRP、LTC、BCH
DMM Bitcoin BTC、ETH
Bitgate BTC
BITOCEAN BTC
フィスコ仮想通貨取引所 BTC、MONA BTC、MONA、BCH、FSCC、CICC、NCXC
Zaif BTC、MONA BTC、XEM、MONA、BCH、ETH、ZAIF、XCP、BCY、SJCX、FSCC、PEPECASH、CICC、NCXC、JPYZ、CMS:ETC、CMS:XEM

審査中の主な取引所(みなし業者)

取引所名 扱っているコイン
販売所 取引所
コインチェック BTC、ETC、FCT、REP、ZEC、LTC、BCH、ETH、LSK、XMR、XRP、XEM、DASH BTC
みんなのビットコイン BTC、ETH、BCH

認可を受けていない主な取引所

取引所名 扱っているコイン
販売所 取引所
Binance BTC、BCH、BCC、ETH、ETC、EOS、ICN、ADA、ZEC、XLM、DASH、NEO、XEM、XMR、LTC、LSK、XRP
BitMEX BTC、ADA、BCH、ETH、LTC、XRP

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