海外旅行保険でクレジットカードを選ぶ前に最低限おぼえておきたい6つのポイント
海外に行く際の海外旅行保険は、空港カウンターやHISなどの旅行代理店で販売していますが、わざわざ加入しなくても手持ちのクレジットカードに海外旅行保険が付いていることがあります。
この、クレジットカードに付いている海外旅行保険に頼る場合、最低限知っておかなければならない内容がいくつもあります。
そこでこの記事では、クレジットカードについている海外旅行保険について、知っておきたいポイントをまとめました。カード選びをする前にお読み頂き、是非お役立てください。
また、海外旅行保険以外にもクレジットカードには様々な保険が付帯しています。クレジットカードに付帯している保険には海外旅行保険以外にどのようなものがあるのか知りたい人は、下記関連記事もご覧ください。
重要:海外旅行保険でクレジットカードを選ぶ前に最低限おぼえておきたい7つのポイント
1.大切なのは傷害疾病治療費用
クレジットカードに付帯している海外旅行保険には下記のように5つの種類があります。
- 死亡・後遺障害保険金
- 傷害疾病治療費用 ※1番大事
- 賠償責任保険
- 携行品損害
- 救援者費用
この中で最も考慮すべきものは傷害疾病治療費用です。これは一般に販売されている海外旅行保険においても同じことが言えます。
なぜなら、海外では日本の健康保険制度が適用されず、医療費がすべて自己負担になるからです。このことは旅行に行き慣れている方にとってはあたりまえの話ですが、知らない方も多いと思います。
さらに、自己負担の金額を見てみると、多くの国では日本と比べて医療費が高いです。ちょっとした風邪や歯の痛みによる通院でも10万円、盲腸の手術であれば数百万円、長期入院ともなれば1,000万円などと、日本では考えられないような金額がかかるケースもあります。海外での通院・入院費は日本国内とはケタ違いなのです。
クレジットカードの広告で書かれている「最高2,000万円補償!」や「1億円の手厚い補償!」などの宣伝文句のほとんどは、死亡・後遺障害保険金の補償額です。もちろん、後遺障害になった時の保険金は大事かもしれませんが、それは国内でも海外でも変わりません。
死んでしまう可能性よりも、ちょっとした病気になって多額の医療費になる可能性の方がよっぽど高いのですから、そのような事態に備えていた方が「安心」なわけです。
「こちらのプランは死亡した際に1億円の補償が付くので安心です」なんて勧められたとしても、そもそも死亡して何が安心なのでしょうか!?そんな方々の言うことに惑わされず、海外旅行保険に加入する時はまず傷害疾病治療費用に着目しましょう。
2.クレジットカードの海外旅行保険の適用期間は出国後90日間が限度
日本国内で発行されているすべてのクレジットカードの海外旅行保険の効力は長くても出国してから90日間、およそ3か月が限度です。
したがって、長期留学をされる方、3か月以上の滞在を予定される方は一般の海外旅行保険に加入してください。
※複数のクレジットカードを組み合わせて補償対象期間を180日まで延長する裏技もあります。
3.治療費用が無制限のクレジットカードはない&海外の医療費は高い
一般の海外旅行保険では、傷害疾病治療費の補償額の上限が無制限というプランはたくさん販売されています。
一方、クレジットカードの付帯保険では治療費の補償額が無制限のカードは1枚もありません。補償額の相場は、一般クラスのカードなら0~200万円、ゴールドカードは200~300万円、プラチナカードでも200~1,000万円が限度です。
どれだけ医療費の高い国であっても、ケガや病気は200万円以内で収まるはずです。しかし、大がかりな手術や長期入院をすれば、これだけでは足りない事もあります。このようなアクシデントは何千回何万回旅行するうちに1度あるかないか、生きてるうちにさえ起こるかどうかわからないレアケースであるとも言えます。
クレジットカードの海外旅行保険では賄えきれない治療費を請求される事故や病気もあることを知って頂いた上で、補償限度額がいくらであれば安心できるのかをじっくり検討してみてください。
4.海外旅行保険が付帯したクレジットカードを複数持って補償限度額を合算する裏ワザ
クレジットカードの保険の補償限度額が少しでも高い方が安心という方は、クレジットカードを複数枚持つことにより補償限度額をアップできることをおぼえておきましょう。
クレジットカードを複数枚持っている場合、死亡・後遺障害保険金を除いた傷害疾病治療費や携行品損害費用などの補償額はすべてが合算されます。
たとえば、手持ちの2枚のクレジットカードの傷害疾病治療費の補償限度額が200万円と300万円なら、合わせて500万円まで補償を受けられることになります。
したがって、海外旅行保険の付いた年会費無料のクレジットカードをたくさん持っていれば補償限度額を1,000万円以上にすることも可能です。この方法は海外旅行者の中ではそこそこ有名な方法で、年会費無料のクレジットカードをたくさん持つことで海外旅行保険を節約している人はいらっしゃいます。
後半で海外旅行保険が付帯している年会費無料のカードを紹介しているので参考にしてください。
カード名 | 死亡・後遺障害 保険金 合算できない |
傷害・疾病 治療費 合算OK |
賠償責任保険 合算OK |
携行品損害 合算OK |
救援者費用 合算OK |
---|---|---|---|---|---|
エポスカード | 500万円 | 270万円 | 2,000万円 | 20万円 | 100万円 |
横浜インビテーションカード | 2,000万円 | 200万円 | 2,000万円 | 20万円 | 200万円 |
REXカードLite | 2,000万円 | 200万円 | 2,000万円 | 20万円 | 200万円 |
JCBEITカード | 2,000万円 | 100万円 | 2,000万円 | 20万円 | 100万円 |
ジザイルカード | 1,000万円 | 30万円 | 1,000万円 | 10万円 | 50万円 |
実際の補償限度額 | 2,000万円 | 800万円 | 9,000万円 | 90万円 | 650万円 |
5.持ってるだけでは保険適用外となるクレジットカードもある:自動付帯と利用付帯
とはいえ、やみくもに海外旅行保険の付いているクレジットカードに申し込めば良いわけではありません。
クレジットカードに付いている海外旅行保険は、かならず「自動付帯」と「利用付帯」という適用条件が決められています。
「自動付帯」ならクレジットカードを何も使わなくても出国した瞬間に効力が発生します。一方の「利用付帯」の場合は航空券やツアーの代金をそのクレジットカードで支払った場合のみ保険の効力が発生するものです。
- 自動付帯:クレジットカードに入会するだけで効力が発生
- 利用付帯:あらかじめ、旅費をクレジットカードで支払うと効力が発生
したがって、4.海外旅行保険が付帯したクレジットカードを複数持って補償限度額を合算する裏ワザで紹介したように何枚もカードを持って補償限度額を上げようとしても、利用付帯のカードではなかなか難しいことになります。自動付帯のカードを選んでおけば、カードを持っているだけで保険に入っていることになるので安心です。
一般クラスのカードを中心として、利用付帯のクレジットカードはたくさん発行されているので、入会する時にはよく確認しておきましょう。
6.カード会員の家族も補償対象となる「家族特約」
クレジットカードの中には、海外旅行保険の「家族特約」と呼ばれる特典が付帯している場合もあります。
家族特約とは、カード会員本人だけでなく、その家族も海外旅行保険の対象となる特約のことです。しかも、カード会員が同行していない海外旅行でも有効となります。
ただし、家族特約の対象となる家族の定義は、クレジットカード会社によって異なります。例えばJCBゴールドカードやJCBプラチナの場合は、以下のように規定されています。
本会員様と生計をともにするご家族で満19歳未満のお子様も保険の適用を受けることができます。別居・同居を問いませんので、本会員様から仕送りを受けて下宿をしているお子様も補償を受けることができます。
引用元:付帯保険内容照会 | JCBカードのおすすめ保険(2018年12月26日取得)
この場合、例えば子供が高校の卒業旅行で友達と海外旅行に行くケースにおいても、JCBによる海外旅行保険が適用されます。
家族特約が付帯しているクレジットカードの中でも最もおすすめなのが、アメリカン・エキスプレス・カード(通称:アメックス)です。
アメックスの場合は家族の定義がより広いのが特徴です。
ご家族とは、カード会員(家族カード会員を含む)の配偶者、カード会員と生計を共にするお子様・ご両親などの親族をさします。
※ ご家族とは、カード会員の配偶者、家族カード会員と生計を共にするお子様・ご両親などの親族をさします。親族とは、6親等以内の血族、3親等以内の婚族の方をいいます。 ※ カード会員様のお子様・ご両親などがお勤めされている場合、生計を共にする家族とならない場合があります。
引用元:旅行関連保険 – アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カードのトラベル – クレジットカードはアメリカン・エキスプレス(アメックス)(2018年12月26日取得)
このように、子供だけでなくその配偶者も補償対象になります。また、生計を共にしていれば年齢の制限なく、子供でも両親でも補償を受けられます。
ちなみに「生計を共にする」とは、本人の収入により生活を維持していること(仕送りを送るなど)、扶養関係にあること、衣食住に関する家計が同一であること、などの状態を指します。
7.治療費立替不要の「キャッシュレス診療」に対応していないカードがある
「キャッシュレス診察」とは、診療にかかった医療費を病院が保険会社に請求してくれるもので、被保険者が窓口で医療費を立て替えて支払う必要がなくなります。手持ちのお金がなくても診療を受けられるため医療費が高い海外において便利なサービスです。
「キャシュレス診療」に対応している病院は限られるため、カード会社に連絡すると対応している病院を紹介してもらえます。
一般の海外旅行保険の場合はすべて「キャッシュレス診療」に対応している一方で、クレジットカードの海外旅行保険では一部のカードが対応していません。
対応していないカードの場合は、どの病院にかかっても一時的に自分で医療費をすべて立替え、後から保険会社(カード会社)に書類を送って請求しなければいけません。
治療費も高いことから、キャッシュレス診療に対応していた方が良いのは言うまでもありません。補償額や付帯条件と合わせて確認しておくことをおすすめします。
クレジットカードは海外キャッシングに対応したものもあります。そのようなクレジットカードがあれば、必要になったタイミングでその都度現地通貨を借り入れることが可能です。そのため、海外旅行の際には海外キャッシングに対応したクレジットカードも持っておくと安心です。海外キャッシング対応のクレジットカードの中でも、申し込みから発行までが早いクレジットカードをまとめた記事もあるので、気になる人は参考にしてみてください。
一覧:もってるだけで補償額が上乗せされる年会費無料のクレジットカード5選
4.海外旅行保険が付帯したクレジットカードを複数持って補償限度額を合算する裏ワザで紹介した通り、海外旅行保険の付いている複数枚のクレジットカードを持っていれば、それらの補償額は合算されます(死亡・後遺障害保険金を除く)。
クレジットカードの利用有無を問わずに持ってるだけで保険が適用される「自動付帯」のカードなら無条件で補償額が合算されるので楽チンです。
そこで、今回は
- 自動付帯:カードを使わなくても保険が適用される
- 年会費無料:コストが一切かからない
以上2つの条件と一致するクレジットカードを5枚ピックアップしました。5枚すべてに入会すれば、治療費の補償額は一気にXXX万円以上、プラチナクラスのカード以上の補償額になります。
海外旅行保険が自動付帯のカードはほとんどが年会費有料なので、年会費無料で保険が自動付帯というカードはほとんどありません。すごく貴重なカードですので是非入会を検討してみましょう。
カード名 | 治療費 上限補償額 |
携行品損害 上限補償額 |
救援者費用 上限補償額 |
キャッシュレス 診療 |
---|---|---|---|---|
エポスカード |
傷害:200万円 疾病:270万円 |
20万円 | 100万円 | 〇 |
横浜インビテーションカード |
200万円 | 20万円 | 200万円 | 〇 |
REXカードLite |
200万円 | 20万円 | 200万円 | 〇 |
JCBEITカード |
100万円 | 20万円 | 100万円 | 〇 |
ジザイルカード |
30万円 | 10万円 | 50万円 | 〇 |
クレジットカードの海外旅行保険の使い方はどのカードもだいたい同じです。下記の関連記事ではエポスカードの海外旅行保険の使い方を説明しているので、エポスカードへの入会を検討している人はもちろん、海外旅行保険の使い方を知りたい人は参考にしてみてください。