Suicaの利用で得するクレジットカード
交通系ICカードのSuicaをお得に利用するためには、「ビューカード」が不可欠です。ビューカードとはJR東日本の子会社が発行しているクレジットカードのことです。一部例外もありますが、ほとんどのカードにSuicaとしての機能も付いており、1枚のカードだけでクレジットカードとしても、Suicaとしても使えます。
そしてこのビューカードの最大の魅力は、現金に代わってSuicaカードにチャージ可能で、しかも金額に応じてポイントが貯まることです。貯めたポイントはSuicaに還元できます。その上、オートチャージもできるようになるため、残高不足によって改札で閉じ込められる心配もありません。
この記事では、ビューカードに入会するとSuicaがどれくらいお得になるのか、そして複数種類あるビューカードの中でもどのカードに入会するべきなのか、について紹介していきます。
また記事の後半では、Suicaユーザーに是非読んで欲しい、Suica使いこなし術も紹介していますので、日頃Suicaを使う方は是非最後までお読みください。
Suica利用者に最もおすすめするクレジットカードはコレ!
Suicaへのオートチャージまたはチャージで1,000円の支払いにつきSuica15円分のポイントが貯まる。還元率は1.5%。さらに他のビューカードとは違い、年に1回のカード利用で年会費が無料になる。また、カード利用時にも利用金額の1%分のポイントが貯まる。このときの還元率も1%であり、他のビューカードよりも高い。コストパフォーマンスを考えると、最もおすすめなビューカード。
目次
Suicaをお得に使うならビューカードが必須の理由
まずはSuicaユーザーならビューカードに申し込むべき根拠を紹介していきます。
ビューカード最大のメリットは、クレジットカードの中で唯一Suicaカードにチャージできることです。
しかもチャージ金額1,000円毎にJRE POINTが15ポイント貯まります。そして1ポイントは1円としてSuicaに還元できます。つまり、ビューカードでSuicaにチャージすると、1,000円入金する度に15円が返ってくることになります。月々の交通費が2万円だった場合、年間では3,600円還元されるわけです。現金でチャージしている人にとっては、これだけでも大きな魅力だと思います。
ビューカードからSuicaカードにチャージするには、券売機ではなくJRの駅にある「ビューアルッテ」という専用ATMを使います。設置場所は券売機と異なるため、駅によっては探さなければいけないのが面倒です。しかし、その煩わしさを解消してくれるのが、ビューカードのもう1つの魅力であるオートチャージです。
オートチャージとは、改札に入場する際にSuicaの残高が設定金額以下だった時に、ビューカードから自動的にチャージしてくれる機能です。対応している改札はJR東日本のエリア内と、PASMOエリア内、そして新潟と仙台の一部のエリアにあるものです。関東圏であれば多くの路線で改札を通るだけで自動的にチャージしてくれて、ポイントも貯まっていきます。
オートチャージを設定するには、ビューカードの申し込み時に「オートチャージサービスを利用しますか?」の問いに対して「はい」を選ぶだけです。その後発行されたビューカードのSuicaを使って改札を通る際、残高が1,000円以下であれば3,000円が自動的にチャージされます。一度設定してしまえば今後は何もする必要がないので、ストレスフリーで改札を通過できます。
チャージ金額の変更や、カード発行後にオートチャージを設定する場合、そしてビューカードのSuica以外にオートチャージしたい場合は、ビューアルッテで設定可能です。
また、Suica定期券を利用している方も、一部のビューカードならビューカードに定期券としての機能を追加できるため、カードを1枚にまとめられます。Suica定期券機能対象外のビューカードでも、ビューカードとSuica定期券をリンクさせることで、ビューカードからSuica定期券へのオートチャージが可能になります。
以上のように、ビューカードを手に入れるだけで、Suicaをお得で便利に使えるようになります。ただ、ビューカードと言っても20種類以上のカードがあります。
カード名 | 年会費 (税込) |
定期券 機能 |
オートチャージ | ショッピング | 特徴 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
申込方法 | 貯まる ポイント |
還元率 | 貯まる ポイント |
還元率 | ||||
ビックカメラSuicaカード |
524円※1 | × | ・カード申込時 ・ビューアルッテで設定 |
JRE POINT | 1.5% | ・JRE POINT ・ビックポイント |
1.0% |
・年1回利用で年会費無料 ・ビックカメラポイントカード機能付き |
「ビュー・スイカ」カード |
524円 | ◯ | ・カード申込時 ・ビューアルッテで設定 |
JRE POINT | 1.5% | JRE POINT | 0.5% | ・特になし |
JALカード Suica(JCB) |
2,200円 | × | ・カード申込時 ・ビューアルッテで設定 |
JRE POINT | 1.5% | JALマイル | 100円 →1マイル |
・JALカードとしての特典付き |
ルミネカード |
1,048円 | ◯ | ・カード申込時 ・ビューアルッテで設定 |
JRE POINT | 1.5% | JRE POINT | 0.5% | ・ルミネでの利用で5%引き |
JRE CARD |
524円 | ◯ | ・カード申込時 ・ビューアルッテで設定 |
JRE POINT | 1.5% | JRE POINT | 0.5% | ・JREポイント優待店での利用で還元率最大3.5% |
大人の休日倶楽部ミドルカード |
2,624円 | × | ・カード申込時 ・ビューアルッテで設定 |
JRE POINT | 1.5% | JRE POINT | 0.5% |
・条件次第で電車運賃が5%引き ・会員限定切符の販売アリ |
大人の休日倶楽部ジパングカード |
4,364円 | × | ・カード申込時 ・ビューアルッテで設定 |
JRE POINT | 1.5% | JRE POINT | 0.5% |
・条件次第で電車運賃が30%引き ・会員限定切符の販売アリ |
ビューゴールドプラスカード |
11,000円 | ◯ | ・カード申込時 ・ビューアルッテで設定 |
JRE POINT | 1.5% | JRE POINT | 0.5% |
・高額なボーナスポイント ・1万円相当の特典がもらえる |
TypeⅡカード | ||||||||
イオンSuicaカード |
無料 | × | ・カード申込時 ・ビューアルッテで設定 |
ときめき ポイント |
0.25% | ときめき ポイント |
0.5% |
・ときめきポイントはSuicaに還元可 ・イオンカードの特典が使える |
ANA VISA Suicaカード |
2,200円 | × | ・カード申込時 ・ビューアルッテで設定 |
ワールド プレゼント |
1,000円 →10マイル |
ワールド プレゼント |
1,000円 →10マイル |
・ANAカードとしての特典付き |
※1:年1回以上のカード利用があれば、翌年度の年会費が無料になります。
これだけあるとどれを選んで良いのか悩んでしまう方も多いと思います。そこでこの記事では、暮らしの達人スタッフが選んだ、Suicaユーザーに自信を持っておすすめしたいビューカードを3枚厳選して紹介します。
おすすめビューカードを3枚厳選
年会費実質無料で扱いやすい:ビックカメラSuicaカード
初めてビューカードに申し込むのなら、年会費実質無料のビックカメラSuicaカードにしておけば間違いありません。
実際には初年度年会費が無料で2年目から524円(税込)かかります。しかし、ビューカードの中で唯一このカードは、年1回以上カードを利用すれば翌年度の年会費も無料になります。そのため、カードを使い続ける限りはずっと年会費無料で利用できます。もちろんコンビニでジュース買うだけでなく、Suicaへのチャージでも条件クリアとなります。
また、これは他のビューカードでもある特典ですが、カードの利用明細を紙のものからWEB発行に切り替えることで毎月50円相当のポイントが貯まり、年間では600円相当のポイントが貯まります。つまり、全くカードを利用しなかったとしても、WEB明細にさえ登録しておけば年会費以上のポイントが貯まるため、絶対に損することはありません。
ビックカメラSuicaカードはコストがかからないだけでなく、さらに他のビューカードよりもポイント還元率が高いという魅力もあります。
先ほど紹介した通り、Suicaにチャージした場合は1,000円で15円分のポイントが貯まります。これはどのビューカードでも同じなので差はつきません。しかし、一般加盟店でカードを利用した場合のポイント還元率は、他のビューカードは0.5%なのに対して、ビックカメラSuicaカードは1%と、2倍の差がつきます。
ビックカメラSuicaのポイント還元率が高い理由は、一般加盟店でこのカードを利用するとJRE POINTに加えて、ビックカメラのビックポイントも同時に貯まるからです。
ビックポイントは通常、ビックカメラでしか使えないポイントです。となると「ビックカメラなんて利用しないから、ビックポイントが貯まっても嬉しくないよ」と思われるかもしれません。しかし、ビックカメラSuicaカード会員に限っては、ビックポイント1,500ポイントでSuica1,000円分に交換できます。したがって、全くビックカメラを利用しない人であっても、ビックポイントが無駄になりません。
もちろん、ビックカメラを利用する機会がある方ならビックカメラでの買い物で、1ポイントを1円分として使えるため、お得にポイントを活用できます。また、ビックカメラでの買い物でこのカードを使うと、最大で購入金額の10%分のビックポイントが貯まる特典もあります。
- ビックカメラSuicaカードの還元率まとめ
- Suicaへのチャージ:1.5%
- 一般加盟店での買い物:1%
- ビックカメラでの買い物:1〜10%
以上のように、ビックカメラSuicaカードはコストの安さと還元率の高さを併せ持ち、ビューカードの中でも頭一つ抜けてお得なカードですので、これからビューカードに申し込もうと考えている全ての方におすすめします。
JALマイルが貯まる:JALカードSuica
JALカードSuicaは、JALカードとビューカードが合体したクレジットカードです。
JALカードの中で唯一Suicaチャージを利用でき、1,000円につき15JRE POINTが貯まります。このカードの会員であれば、1,500ポイントで500マイルと交換できるため、要するに1,000円のチャージで5マイルが貯まる計算になります。
さらに年会費に3,300円(税込)を上乗せしてJALカード・ショッピングマイルプレミアムに登録すると、マイル交換レートが1,500ポイントで1,000マイルとなります。1,000円のチャージで10マイル貯まる計算です。
このカードを活用してマイルをたくさん貯めるには、Suica払いできる場所では積極的にSuicaを使い、ガンガンチャージすると良いでしょう。
最後に、このカードはJALカードの一種なので、もちろんボーナスマイル制度や機内販売での優待などは変わりませんし、年会費も他のカードと同じ2,200円(税込)です。ただし、家族カードが発行できない、WAONが使えないといったデメリットもあるので、入会の際はよく検討してください。
ANAマイルが貯まる:ANA VISA Suicaカード
「SuicaチャージでANAマイルを貯めたい!」という方におすすめなのが、ANAカードとビューカードが合体したANA VISA Suicaカードです。
このカードでSuicaにチャージすると、1,000円ごとに1ポイントが貯まり、1ポイントを5マイルに交換できます。さらに登録料6,600円(税込/年)を払うことで、1ポイントを10マイルに交換できます。登録の有無に関わらず、貯まるポイントに関しては1,000円で1ポイントのままです。また、ポイントの有効期限は2年間なので、1年毎に登録と解除を繰り返すことで登録料を節約しつつ高いレートでマイルに交換できます。
ANA VISA SuicaカードもJALカードSuicaと同様に、Suicaで払えるお店や自販機で積極的にSuica払いし、たくさんチャージすることで間接的にANAマイルが貯まります。
年会費は初年度無料で、翌年度から2,200円(税込)かかりますが、マイ・ペイすリボに登録すると826円(税込)にまで減額できます。これは一般クラスのANAカードの中では最も安い年会費です。
ただ、マイ・ペイすリボに登録すると今後の支払い方法が一括払いからリボ払いに変更されます。リボ払いだと毎月の支払額が一定になり月々の負担が減る一方で、利息が発生するデメリットがあります。しかしマイ・ペイすリボでは月々の返済金額を利用額全額に設定できます。そのため、名目上はリボ払いながら実質的には一括払いとなり、利息も発生しない、という状態にできます。これなら全くリスクなしで年会費優遇特典のメリットだけ得られるため、非常にお得にカードを維持できます。
※2021年2月以降の年会費から、「年1回以上のカード利用」→「年1回以上のリボ払い手数料支払い」に条件が変更されます。
ルミネやアトレなど駅ビル商業施設と提携したビューカードもある
ビューカードには駅直結の商業施設で割引やポイント還元率アップなどの特典があるものもあります。以下に紹介しているどのカードも、一般加盟店での還元率は0.5%ですが、Suicaチャージでは1.5%、そして対象施設での利用で様々な優待を受けられます。該当する施設を頻繁に利用するのなら、これらのビューカードを選択するのも良いでしょう。
- ルミネをよく利用する方:ルミネでいつでも5%オフ、年に数回10%オフのルミネカード
- アトレをよく利用する方:アトレでの利用でポイント還元率1.5%のアトレビューSuicaカード
- 盛岡駅ビル「フェザン」をよく利用する方:フェザンでいつでも5%オフ、年に数回10%オフのフェザンカード
- 千葉駅ビル「ペリエ」をよく利用する方:ペリエでの利用でポイント還元率1.5%のペリエカード
- 水戸駅ビル「エクセル」をよく利用する方:エクセルでいつでも5%オフ、年に数回10%オフのweビュー・スイカカード
- 仙台駅ビル「エスパル」をよく利用する方:エスパルでの利用でポイント還元率5%のエスパルカード
Suicaのよりお得な使いこなし術
ここまで紹介してきたように、ビューカードを持つだけでも十分Suicaをお得に利用できます。その上で、Suicaユーザーであればさらに知っておいて損はない、よりお得で便利な使いこなし術を2つ紹介します。こちらも覚えておいてください。
モバイルSuicaでさらに便利
Suicaユーザーであれば絶対に検討してほしいのがモバイルSuicaです。これは、おサイフケータイ対応端末、または対象のiPhone・Apple Watchで利用できるSuicaのことで、アプリをダウンロードするだけで簡単に利用を開始できます。
モバイルSuicaとSuicaカードを比較すると、モバイルSuicaには2つの強みがあります。
1つ目は、世の中のほとんど全てのクレジットカードからチャージできる点です。カードタイプのSuicaをチャージするには、現金かビューカードの2択になりますが、モバイルSuicaなら更に選択肢が広がります。しかもクレジットカードのポイントも貯まるので、例えばヤフーカードからモバイルSuicaにチャージすると、いつも通り100円につきTポイントが1ポイント貯まります。
ただし、モバイルSuicaへのチャージで還元率1.5%を超えるカードはほとんどありません。また、ビューカード以外だと年会費が有料になることからも、やはりビューカードからチャージするのが無難でしょう。
2つ目は、モバイルSuicaならどこでもチャージ可能になる点です。モバイルSuicaにクレジットカードを登録しておくことで、その後はネット回線さえあればいつでも登録したカードからチャージできます。したがって、日本全国どこにいたとしてもネット回線さえあればチャージ可能です。
- クレジットカードからSuicaにチャージする場合、カードタイプによる条件の違い
- Suicaカード:JR東日本の駅内にあるビューアルッテでチャージ可能
- モバイルSuica:ネット回線がある場所ならどこでもチャージ可能
- ※どちらも対応改札では、オートチャージが有効
このように、モバイルSuicaであればビューアルッテがない地域でもクレジットカードからチャージできるので、関東だけでなく、関西や九州でも、JRでも私鉄でも、お得に乗車できます。
もちろんモバイルSuicaなら携帯電話そのものがSuicaとなるので、いちいちカードを取り出す手間がなくなって便利、という利点もあります。もしもモバイルSuicaを利用できる端末を持っていれば、利用を検討してみてください。
JRE POINTに登録してポイントを貯める
意外と知られていないのですが、SuicaにはJRE POINT WEBサイトに登録することで、Suicaを使って対象店舗で買い物をすると、100円の支払いでJRE POINTが1ポイント貯まります。貯まったポイントは1ポイントを1円として登録したSuicaに還元できます。Suicaへのチャージと、Suicaでの支払いでポイントの2重取りができるようになるわけです。
対象店舗はほとんど関東の駅ナカにある店舗に限られますが、スリーエフ、イトーヨカドー、紀伊国屋、NewDays、キオスク、自販機などがあります。登録料などのコストは一切かからないので、登録しておいて損はありません。
さらに2019年10月1日からは、JRE POINT WEBサイトに登録したSuicaでJR東日本の在来線に乗車するとポイントが貯まるようにもなりました。
- カードタイプのSuica:利用額200円ごとに1ポイント
- モバイルSuica:利用額50円ごとに1ポイント