アメックスカードに描かれているWi-Fi電波マークの正体はコレ!アメリカン・エキスプレス・コンタクトレスの使い方、メリットまとめ
アメリカン・エキスプレス・カードの券面には、数年前からWi-Fiの電波のようなマークが描かれるようになりました。アメックスユーザーの中には、このマークについて疑問を持っている方も多いと聞きます。
実はこのマークは、American Express Contactless(アメリカン・エキスプレス・コンタクトレス)(ExpressPayと呼ばれることも)が使えることを示した記号です。アメリカン・エキスプレス・コンタクトレスとは、アメックスが提供している非接触型決済サービスのことです。わかりやすく言えば、このマークがあるアメックスカードならSuicaや楽天Edyのように、読み取り端末にカードをかざすだけで買い物できます。つまり電子マネーとして使えるわけです。
American Express Contactless Payments(イギリス公式サイト)
しかし結論から言うと、記事執筆時点では日本で読み取り端末を扱っているお店はありません。残念ながらアメリカン・エキスプレス・コンタクトレスは日本では使えないサービスなのです。
ただ、海外では利用できる店舗も増えており、覚えておくと役立つサービスです。この記事では、アメリカン・エキスプレス・コンタクトレスの使い方やメリットについて紹介していきます。
目次
アメリカン・エキスプレス・コンタクトレスの使い方
使い方と言っても、冒頭で紹介した通り日本では使えません。アメリカやイギリス、インド、カナダ、フィリピン、オーストラリアなどにある、アメリカン・エキスプレス・コンタクトレス対応店でのみ利用可能です。対応店の中にはマクドナルドやスターバックスなどもあるようですが、地域や国によっては対応していないこともあります。
対応しているお店があれば、決済時に「アメリカン・エキスプレス・コンタクトレス」を使って支払う旨を告げましょう。カードを見せて、「American Express Contactless, please.」とでも告げれば良いでしょう。あとは店員が端末を操作するので、そこにカードをかざすだけで決済が完了します。
使用する上での注意点をアメックスに問い合わせてみたところ、利用回数や利用金額に制限があることがわかりました。実際にアメックスのイギリス公式サイトには、30ポンド以下の決済にしか利用できないと明記されています。
アメリカン・エキスプレス・コンタクトレスで支払った場合のポイントがどうなるかも聞いてみたところ、「恐らく貯まるだろうが、断言できない」との回答でした。まだ日本では始まっていないサービスなので、情報も入ってきていないようです。ただし、実際にカナダにてアメリカン・エキスプレス・コンタクトレスで払ったところ、カード利用時と同様にポイントが貯まったことを確認しました。恐らくどの国、店舗で利用した場合でも、問題なくポイントは貯まるものと思われます。
アメリカン・エキスプレス・コンタクトレスのメリットは安全性の高さと決済がスピーディーな点
アメリカン・エキスプレス・コンタクトレスには、大きく2つのメリットがあります。
1つ目は安全性の高さです。 海外ではクレジットカードの不正利用が横行しており、暗証番号を入力する時にも用心しなければ盗み見られる恐れがあります。しかも暗証番号を盗まれてカードを不正利用された場合は補償対象外となり、被害金額を自分が負担しなければいけません。国内最大手カード会社の三井住友カードですら、暗証番号が利用された決済であれば、不正利用を主張しても調査すら行ってくれないそうです。
飲み屋でのクレジットカード不正利用は高確率で「補償対象外」というのを約80万円の被害にあった僕が実体験を元に説明することにした
しかし、アメリカン・エキスプレス・コンタクトレスなら暗証番号の入力が不要なので、盗み見られる心配もありません。普通にカード払いするよりも安全な支払い方法だと言えるでしょう。
2つ目のメリットは、決済スピードの速さです。読み取り端末にかざすだけで決済が完了するため、サインや暗証番号の入力の手間を省けます。
以上のように、アメリカン・エキスプレス・コンタクトレスは利用者にとって嬉しい支払い方法であるため、アメックスのカードで支払おうとすると、何も告げていないのにアメリカン・エキスプレス・コンタクトレスでの支払いだと判断されることもあるようです。
アメリカン・エキスプレス・コンタクトレスが日本で使える日は来ないかもしれない
日本では暗証番号の覗き見に神経を尖らせる必要はないかもしれませんが、カードをかざすだけで決済できる点に魅力を感じる方は多いと思います。そこで気になるのが、「日本ではいつ使えるようになるのか?」でしょう。
これはあくまでも予想ですが、恐らく日本で普及するのは難しいと思われます。なぜなら、アメリカン・エキスプレス・コンタクトレスの規格と、日本で既に普及している電子マネーとは規格が異なるからです。
日本ではコンビニや飲食店を中心に、多様な電子マネー払いに対応した読み取り端末が用意されています。Suicaで払うときも、楽天Edyで払うときも、同じ読み取り口にカードや携帯電話をかざすだけでOKですよね?これは日本で流通している電子マネーがFeliCaと呼ばれる規格を採用しているからです。このFeliCaとはソニーが開発した技術であり、ほとんど国内でしか使われていません。
一方で、アメリカン・エキスプレス・コンタクトレスはFeliCaではなくTypeA/Bと呼ばれる規格を使用しています。したがって、日本のお店でもアメリカン・エキスプレス・コンタクトレスを使えるようにするには、TypeA/B用の読み取り端末を新たに用意しなければいけません。TypeA/Bは海外で広く使われているので、訪日外国人の利用が見込まれるお店では導入するメリットもあるでしょうが、そうでもなければコストをかけてまで導入する理由がありません。
同じような事例はApple Payでも見られました。最近になって日本でも騒がれ始めたApple Payですが、実は2014年に発売されたiPhone6から利用可能になったサービスです。しかし、iPhone6で実装されたApple Payは、TypeA/Bにしか対応していませんでした。そのため日本では利用できず大きな話題にはなりませんでした。
その後2016年に発売されたiPhone7では、Apple Payの規格を海外版ではTypeA/Bに、日本版ではFeliCaにと、日本独自の規格にわざわざ合わせて提供しました。その結果、日本でも多くのユーザーがApple Payを利用できるようになりました。
アメリカン・エキスプレス・コンタクトレスも日本で普及するには、規格の違いというハードルを乗り越えなくてはいけません。しかし乗り越えるだけのメリットがアメックスにあるのかを考えると、そうは思えません。そのため日本でアメリカン・エキスプレス・コンタクトレスが使えるようになる日はまだまだ遠いと考えられます。
追記:その後コンタクトレスは国内でも使うことができるようになりました
当記事では「日本で使える日は来ないかもしれない」なんて予想をしたわけですが、すみません、これは誤りでした。
その後国内でも、マクドナルドやローソンに置いて、クレジットカードをかざすだけで決済が可能になる「コンタクトレス決済」を導入しました。また、クレジットカード側でも三井住友カードやオリコカードでもコンタクトレス決済が使えるようになりました。そう、この記事の予想に反して日本でもコンタクトレスがじわじわ普及しているわけです。
コンタクトレスが利用可能なクレジットカードは、全てアメックスと同じく券面にワイファイマークが描かれています。ご自身のクレジットカードでもコンタクトレスに対応しているのかどうかがすぐ見分けられると思いますので、ぜひご確認ください。