クレジットカードとキャッシュカードの違いとは?違いは明確なのに誤解しやすい理由
クレジットカードとキャッシュカードの違い、知っている人にとっては当たり前すぎる違いがあります。しかし、学生や新社会人の方などで、初めて自分で預金口座を作ろうとしている、初めてクレジットカードを作ろうとしているといった方の中には、この2つの違いを実はよくわかっていない方もいるのではないかと思います。
中には「キャッシュカードで買い物ってできるの?」「クレジットカードでお金を下ろすことってできるんだっけ?」と混同してしまう人もいるようです。この辺をちゃんと整理して理解しておかないと、恥をかいてしまうかもしれません。また、「キャッシュカードはお金を下ろすカードであって、買い物はできない。常識でしょ。」と鼻で笑っている方、実はそれも間違っています!
というわけでこの記事では、違いがわからない初心者の方や、使い慣れてるけど実は詳しく知らない方のために、クレジットカードとキャッシュカードの違いをわかりやすく解説していきます。
目次
クレジットカードとキャッシュカードの違い
クレジットカードは主に買い物や飲食店で現金の代わりに支払うためのカードで、キャッシュカードは主に自分の預金口座から現金を引き出すためのカードです。使う目的そのものが全く違うので、知ってしまえば紛らわしいことは何もありません。まずは2つのカードの間で異なる点を表にまとめたので、ご覧ください。
カードの種類 | クレジットカード |
キャッシュカード |
---|---|---|
主目的 | 買い物 | 銀行ATMの操作(主に引き出し) |
発行会社 | クレジットカード会社・銀行 | 銀行 |
入会資格 | 18歳以上 | 年齢制限無し(ネット銀行は例外アリ) |
審査 | あり | なし |
年会費 | 無料〜数万円 | 無料(国際ブランドが付いているカードの場合有料のケースあり) |
利用限度 | カード会社が定めた金額まで | 預金残高の範囲内 |
カード券面に書いてある情報 | ・VISAやJCBなどの国際ブランド ・16桁のカード番号 ・有効期限 ・利用者の名前(ローマ字) |
・数桁の口座番号や支店番号 ・有効期限 ・利用者の名前(カタカナ) |
クレジットカードとは買い物をするためのカード
クレジットカードは実店舗やネットショップなどで現金に代わって支払いを可能にするカードです。例えば楽天カードやライフカードなどがこれに該当します。基本的にクレジットカードを発行しているのは貸金業登録を行った会社と銀行のどちらかになります。
クレジットカードの発行には審査があり、誰でも作れるわけではありません。年齢、収入、これまでのカード利用歴などから信用できると判断された人にだけ発行されます。明確な審査基準は公表されていませんが、収入がない期間が続いていたり、一度に何枚も申し込んだり、過去に利用料金の滞納などを行っていれば、だいたいどのカード会社でも発行を断られてしまいます。
審査に通ったとしても、カード会社によって利用限度額を低く設定されてしまうこともあります。逆に上客だと判断されれば限度額も高く設定され、何百万円もの商品をカード払いできるようになります。クレジットカードをより便利に使うには、カード会社と信頼関係を築いていかなければいけないのです。
クレジットカードは支払いができること以外にも、旅行保険や特定の店舗での割引優待などの特典が付いているものもあります。「現金主義だけど、特典のためにクレジットカードに入会しました。」という人もいるくらい便利でお得な特典が多数付帯しています。
また、クレジットカードの中にはステータス(希少性)と呼ばれるものがあります。例えば初めから「年収○○万円以下の人はお断り」と公表しているクレジットカードがあります。このようなカードは誰でも持てるものではないので希少性が高く、もしも持ってれば周りからは「おおー!」と思われるでしょう。まるでブランド品のような魅力があるのもクレジットカードならではの魅力です。
キャッシュカードとは預金を引き出すためのカード
キャッシュカードは銀行や郵便局などの金融機関のATMや窓口を利用するためのカードです。つまり「鍵」としての役割を持つカードであり、どちらかと言えば免許証や保険証に近い存在です。キャッシュカードがあれば、自分の預金口座から預金を引き出したり、振り込んだりできます。
あくまでも預金口座を操作する専用のカードなので、発行しているのも預貯金取扱金融機関のみになります。他社の口座を操作できるキャッシュカードを作ったところで、何のメリットもありませんからね。
発行にあたって特に審査はなく、希望すれば基本的に誰でも発行してもらえます。年齢制限もなく、親が0歳の赤ちゃんの名義で口座を作って、赤ちゃん名義のキャッシュカードを発行することも可能です。ただし、ネット銀行は例外で、年齢があまりに低いと発行を断られるところもあるそうです。利用限度額は特に無く、預金額がそのまま利用可能額となります。
ここまで紹介したように、キャッシュカードはクレジットカードのような多様性や価値がないので、年会費は無料だし、何か特別な特典が付いていることも基本的にありません。持っていて「おおー!」と思われることもまぁないでしょう。
クレジットカードとキャッシュカードを誤解しやすい理由
とまぁこのように、クレジットカードとキャッシュカードって、全然立場の異なるカードなのです。それなのになぜクレジットカードとキャッシュカードを混同する人がいるのでしょうか?その理由をいくつか勝手に考えてみたので、余計なお世話顔かもしれませんがご覧ください。
クレジットカードとキャッシュカードが1枚になったカードがある
そりゃあ誤解を招くだろうというのが、キャッシュカードとクレジットカードが1枚になったカードの存在です。これ1枚あればATMでお金を下ろすこともお店で買物することも可能です。
このタイプは三井住友カードや三菱UFJニコスなど、グループ内に銀行とカード会社を持つ企業が発行しています。したがって、種類としてはそう多くありません。2枚を1枚に集約できるのは便利ですが、クレジットカードとして見るとポイント還元率や付帯特典の面でいまいちなカードが多いのであまりおすすめしませんね。
キャッシュカードで買い物できるデビット機能
キャッシュカードの中には、お店で買い物できるものもあります。これには2種類のタイプがあります。
まず1つはJ-Debitと呼ばれるものです。キャッシュカードの裏面に「J-Debit」というロゴが書いてあるキャッシュカードを指します。というか、国内のほとんどのキャッシュカードについています。
J-Debit加盟店では、J-Debitのロゴがついているキャッシュカードで決済できます。代金は自身の口座から数日以内にその都度引き落とされます。限度額は預金残高次第となるので、たくさん預けておけば高額な商品も購入できます。しかし、加盟店舗数がそもそも少なく、クレジットカードのようなポイント制度もないのでお得なメリットはありません。
2つめはデビットカードと呼ばれるタイプのキャッシュカードです。このカードの表面にはVISAかJCBという国際ブランドのロゴが描かれていて、クレジットカードにかなり近い見た目をしています。
ただし、こちらも利用代金は数日以内に預金口座からその都度引き落とされます。利用額をまとめて月に1度引き落とすクレジットカードとは、実際にお金が出ていく時期が異なるわけです。
以上のように、支払いサイクルは異なりますがキャッシュカードでも買い物ができるため、混同が起きてしまうのでしょう。
クレジットカードのキャッシング機能でATMからお金を引き出せる
クレジットカードにはお金を借りる機能=キャッシング機能があります。これはコンビニや銀行のATMにクレジットカードを差し込んで、現金を融資してもらう方法です。
他人のお金を借りるのと自分のお金を引き出すのは大違いですが、どちらもATMにカードをつっこむ姿は同じです。そのため「クレジットカードでもお金を下ろせるんだ」と勘違いの原因となりそうです。
ちなみにキャッシュカードでもキャッシング機能があるものもありますし、逆に全てのクレジットカードでキャッシングできるわけでもありません。
クレジットカードとキャッシュカードの違いまとめ
見てきた通り、クレジットカードとキャッシュカードは、その用途からそもそも根本的に違うものです。しかし、一体型やデビットカードのせいで、詳しくない人だと混同してしまうのかもしれません。基本的にクレジットカードは支払いに使うカード、キャッシュカードは預金口座を利用するためのカードということを覚えておきましょう。
そのうえで、クレジット機能とキャッシュカードの機能が一体になったタイプと、支払いに利用できるキャッシュカード「デビットカード」というものがあることを覚えておけば、もう混同することはないと思います。