Apple PayのSuicaが「エクスプレス予約」に対応。東海道・山陽新幹線をiPhoneだけで便利でお得に利用可能
東海道・山陽新幹線を年に数回でも利用する方には、「エクスプレス予約」をおすすめします。
このサービスに登録すればネット上で新幹線を予約できるようになり、EX-ICカードと呼ばれる専用のICカードをかざすだけで新幹線の改札を通れるようになるので、とても便利です。そして何よりこのサービスを通じて切符を購入すると、新幹線の料金がいつでもお得になります。
2017年10月23日からは、EX-ICカードの代わりにApple PayのSuicaでも改札が通過できるようになりました。これによって、下記のいずれかの端末を所持していればいつでも新幹線をお得に予約できて、さらに改札ではiPhone/Apple Watchをかざすだけで通過できます。
- iPhone7以降
- Apple Watch series2以降とiPhone5S以降
この記事では、エクスプレス予約のメリットのおさらいから、Apple PayのSuicaで東海道・山陽新幹線をお得に利用する方法まで紹介していきます。
目次
エクスプレス予約のメリットのおさらいと、新たにできるようになったこと
まずはエクスプレス予約のメリットを紹介します。
- 東海道・山陽新幹線の予約がPC・スマホ上でできる(券売機や窓口に並ぶ必要なし)
- 予約変更が何度でも無料(通常の切符だと、2度目の変更から手数料がかかる)
- 新幹線の改札をEX-ICカードをかざすだけで通ることができる
- 新幹線の料金が安くなる(東京→新大阪の片道指定席を予約する場合、通常14,450円のところエクスプレス予約なら13,370円で、1,080円安くなる)
- 早割など、さらにお得な切符を購入できる
- 利用区間に応じてグリーンポイントが貯まり、ポイントを使うと指定席料金でグリーン車に乗ることができる
これらの中でも特に嬉しいのが、新幹線の料金が安くなる点でしょう。割引額は乗車区間によって異なりますが、主要都市間であれば数千円程度の割引を受けられます。エクスプレス予約を利用するには年会費が1,100円(税込)かかりますが、年に1回東京-大阪を片道乗車するだけで年会費の元が取れますし、往復なら年会費以上にお得になります。
そして3つ目のメリット「EX-ICカードで改札が通れる」についてが今回のポイントです。エクスプレス予約に登録すると、EX-ICカードと呼ばれる新幹線改札専用のICカードが送られてきます。エクスプレス予約で新幹線を予約した後、改札でこのカードをかざすと、Suicaと同じように通行できます。しかし新幹線以外の改札では使えないため、在来線ではSuica、新幹線ではEX-ICカードと、2枚のカードを使い分けなければいけませんでした。
しかし冒頭でも紹介したように、2017年10月23日からはこのカードの代わりにApple PayのSuicaが使えるようになりました。これにより、在来線も新幹線も1つのSuicaで通過できるようになったのです。
なお、これはAndroid向けに配信されているモバイルSuicaでも利用できます。
補足:エクスプレス予約で改札を通るには、EX-ICカードを使う以外にも、サービス登録時に設定したクレジットカードをエクスプレス予約利用者専用の発券機に挿入して切符を受け取る、という方法があります。
Apple PayのSuicaでエクスプレス予約を利用するために必要なこと
通常、エクスプレス予約を利用するためには、JCB発行のクレジットカードや三井住友発行のクレジットカードなど、エクスプレス予約に対応したクレジットカードの入会が必要になります。そしてエクスプレス予約で新幹線を予約すると、登録したカードで決済される仕組みです。
しかし、Apple PayのSuicaで新幹線の改札を通過するためには、必ずビューカード発行のクレジットカードが必要になります。本来、ビューカードではエクスプレス予約を利用することができませんが、iPhoneのSuicaアプリから「ビューカード特約」という設定を行うことでエクスプレス予約の加入ができ、新幹線を予約すると、EX-ICカードの代わりにiPhoneを改札にかざすだけで通過することができます。また、ビューカードなら「Suicaにオートチャージ可能」かつ「Suicaチャージでのポイント還元率が1.5%と、他社のクレジットカードを圧倒」しているため、日々の交通費をお得に支払えるというメリットもあります。
ビューカードの中で最もおすすめなのはビックカメラSuicaカード
「ビューカード特約」の設定方法について説明する前に、先におすすめのビューカードであるビックカメラSuicaカードについて紹介します。このカードの特徴は主に以下の2点です。
- ビューカードの中で唯一、年会費が実質無料
- Suicaチャージ以外でのカード利用でも、他のビューカードよりもポイント還元率が高い
年会費については初年度無料で、年に1回でもカードを利用することで翌年度も無料になります。もちろんSuicaへのチャージに使うだけでも条件を満たせます。また、もしも年会費が発生してしまっても524円(税込)で、一般的なクレジットカードと比較しても安い方であり、大きな負担とはならないでしょう。
ポイント還元率も他のビューカードが0.5%なのに対して、ビックカメラSuicaカードは1%です。つまり新幹線を予約した場合、料金の1%相当のポイントが還元されます。
ビューカード特約を使ってエクスプレス予約に登録する方法・乗り方
まずはSuicaアプリをダウンロードします。
Suicaアプリのチケット購入・Suica管理タブから、「登録クレジットカード情報変更」を押して、入会したビューカードの情報を入力します。続けて「ビュー・エクスプレス特約」を開きます。案内をよく読んで問題なければ「ビュー・エクスプレス特約申込」を押します。すると詳細事項の同意確認と、ビューカードの暗証番号の入力画面になるので入力します。2週間程度でビューカード入会時に記入した住所宛に会員証が届きます。
会員証が届いたら残りの手続きを行います。Suicaアプリを起動し、チケット購入・Suica管理タブから「エクスプレス予約(JR東海)」を選択し、書かれている内容をよく読んだ後「同意する(接続)」を押します。
エクスプレス予約のログイン画面に飛ばされるので、「モバイルSuicaから初めてエクスプレス予約にアクセスされた方はこちら」を押します。
案内事項を読み、「OK利用手続き」ボタンを押します。任意のメールアドレスを入力するとメールが届きます。そこに記載されたリンクを開くと再びエクスプレス予約の画面に戻るので、クレジットカード情報などを入力していきます。
登録が完了すれば、今後はエクスプレス予約にログインして、新幹線の予約ができるようになります。
予約後、東海道・山陽新幹線改札でiPhoneまたはApple Watchをかざすと改札を通ることができます。取り出し口から乗車区間や座席などが記載された利用票が出てくるので受け取りましょう。利用票は切符ではないので無くしたり取り損ねても困るものではありません。(次に改札を使う人の迷惑にはなります)。
降車時も同様に改札にiPhoneまたはApple Watchをかざせば通行できます。降車時には取り出し口からは何も排出されません。また、在来線への乗り換え用改札でも端末をかざすだけで利用できます。
エクスプレス予約とスマートEXの違い
ちょうど同じ頃に、エクスプレス予約と似たようなサービスで「スマートEX」と呼ばれるものが登場しました。このサービスは、エクスプレス予約と比較すると新幹線の割引額は控えめですが、年会費無料で利用できます。詳しく紹介します。
スマートEXは無料で利用できて、エクスプレス予約同様に、東海道・山陽新幹線をネット上で予約や予約変更ができるサービスです。スマートEXならではのメリットとして、新幹線改札でもSuicaカードやICOCAカードなど、従来の交通系ICカードを使って通過できる点が挙げられます。また、クレジットカードの登録が必要ですが、エクスプレス予約とは異なり、基本的にはどんなクレジットカードでも登録できます。
新幹線料金の割引特典もありますが、エクスプレス予約と比較すると割引額が低いのがデメリットです。例えば東京-名古屋間で、のぞみ片道指定席券を購入した場合の料金を比較してみましょう。
- 通常料金:11,090円 ※閑散期は200円引き、繁忙期は200円増し
- スマートEX:10,890円 ※閑散期は200円引き、繁忙期は200円増し
- エクスプレス予約:10,110円
エクスプレス予約は年会費こそかかるものの1,100円(税込)なので東京-大阪を1往復すればすぐに元が取れます。したがって年に数回新幹線に乗る方はエクスプレス予約の方がおすすめです。
一方、スマートEXが向いているのは、
- 普段使っている交通系ICカードだけで新幹線も乗りたい方
- 普段使っているクレジットカードのポイントを貯めたい方
- 年会費を1円も払いたくない方
といった方々となるでしょう。詳しくは関連記事もご覧ください。