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信用取引入門5 信用取引と差額・実物決済

公開年月日 : 2016/09/30 更新年月日 : 2016/10/02

信用取引では、証券会社から借りたお金や株を返済する必要があります。基本的に、信用買いの場合は株を売って、信用売りの場合は株を買い戻して、投資家の損益を確定させて取引を終了します。これを、手仕舞うともいいます。

信用取引の決済方法には、信用取引ならではの差額決済と、株取引全般で共通する実物決済の2種類があります。まずは、差額決済と実物決済の基本を抑えておきましょう。

差額決済とは

信用取引の決済では、信用買いの場合は株を売却し、信用売りの場合は株を買い戻します。このことを、反対売買といいます。そして反対売買で生じた収益または損失のみを証券会社との間で精算する方法のことを差額決済といいます。差額決済は信用買いと信用売りによって、以下のパターンに分類されます。

  • 信用買い:買値よりも株価が上がれば利益、買値より株価が下がれば損失となる
  • 信用売り:売値よりも株価が下がれば利益、売値より株価が上がれば損失となる

実物決済とは

信用取引では、証券会社から借りていたお金や株式を、そのまま返済することでも決済できます。

信用買いの場合は、証券会社に借りている資金分を現金で返済すると、購入した株を現物株として引き取れます。制度信用取引で6ヶ月以内に予想通り株価が動かなかった場合などには、利息のかからない現物株として一旦引き取る方法が有効です。信用買いでの実物決済を、現引きといいます。

信用売りの場合は、証券会社に借りている株に対して、同じ銘柄・株数を別途用意して差し入れることで決済できます。このとき、信用売りしたときの約定代金を受けとります。信用売りした株が値上がりした場合に、手元にある株を差し入れて決済すれば損失を回避できます。信用売りでの実物決済を、現渡しといいます。

信用取引の4つの決済方法

1)信用買いの2つの決済方法

信用買いの1つ目の決済方法は、信用買いで購入した株を売却して精算する差額決済です。売却時の約定金額と購入時の約定金額の差が収益になります。信用取引の最も一般的な決済方法です。

2つ目は、信用買いで購入した株を、現金で買いなおす実物決済「現引き」です。証券会社から借りたお金に対する金利が、現引き以降はかからなくなります。

2)信用売りの2つの決済方法

信用売りの1つ目の決済方法は、信用売りの銘柄を買い戻して精算する差金決済です。購入時の約定代金と売却時の約定代金の差が収益になります。 株価が下がっていれば利益を受け取り、株価が上がっていれば損失分を支払います。

2つ目は、信用売りした銘柄を、同じ銘柄の株を差し出して精算する方法です。現物株を持っている、もしくは他手段で調達できる場合、市場で買い戻す必要がなくなります。

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