信用取引入門1 信用取引とは
信用取引って難しそう。慣れないうちは、そう思うのも無理はありません。しかし、信用取引は仕組みさえ理解してしまえば難しくありません。うまく使いこなせば利益獲得のチャンスが広がります。
このページでは、難しい言葉を避けて、信用取引の基本的なことをわかりやすく解説しています。基本的なところを抑えて、信用取引を活用するための準備をしましょう。
信用取引の仕組み
信用取引の魅力を理解するためには、まず「信用買い」と「信用売り」について知る必要があるので紹介します。
信用買いとは
証券会社から株の購入資金を借りて株を買うことを、信用買いといいます。株価が上昇すると予想する場合は、信用買いで証券会社からお金を借りて株を購入し、株価が上昇した時点で売却します。つまり、株価が安いときに購入し、株価が高いときに売却することで値上がり益を受け取るわけです。証券会社からお金を借りて取引をスタートできる点が、通常の現物取引と違います。
購入資金を借りるためには、委託保証金とよばれる担保が必要です。現金以外にも株などの有価証券も委託保証金として代用できます。
信用売りとは
証券会社から株を借りて売ることを、信用売り、あるいは空売りといいます。株価が下降すると予想する場合は、信用売りで株を借りて売却しておき、株価が下落した時点で株を買い戻して返却することで、売却分の利益を受け取れます。信用買いと同様に、株を借りるためには委託保証金とよばれる担保が必要です。
信用取引の魅力
手持ち資金の約3倍まで取引できる
信用取引では、信用買い・信用売りの両方とも、手持ち資金の約3倍までの取引ができます。そのため、資金が足りずに購入できなかった株も購入できるようになります。確度の高い株に集中的に投資することで、利益を約3倍にまで増やせます。
例えば、手持ち資金が30万円のときに50万円を借りて、80万円の株を購入したとします。株が値上がりして100万円になったときに売却すると、借りた分のお金を返済しても20万円の利益が残ります。30万円の投資金額に対して、20万円の収益が生まれた計算です。なお、計算を簡単にするため手数料や金利を除いていますが、実際にはこれらのコストが発生します。
株価の下落時に狙える利益
現物取引では「購入して売却する」ことでしか利益を得られませんでした。しかし、信用取引ではそれに加えて「売却して購入する」ことでも利益を狙えます。
例えば、手持ち資金が30万円のときに、証券会社から借りた80万円の株を売却したとします。株が値下がりして60万円になったときに買い戻して証券会社に株を返却すると、20万円の利益が生まれます。30万円の投資金額に対して、20万円の収益が生まれた計算です。このように信用取引では、株が値下がりする局面でも収益を得られるわけです。なお、ここでも計算を簡単にするため手数料や金利を含めていません。
信用取引を始める前に
これまで解説してきたように、信用取引なら自分の資産よりも大きな金額で取引でき、収益拡大も見込めます。しかし、信用取引にもデメリットがあります。信用取引での株の売買には取引手数料だけでなく、利子や賃株料もかかります。また、お金や株を借りて取引した場合は、収益だけでなく損失も2倍、3倍と膨らみます。次のページでは、信用取引とリスクについて説明します。