信用取引入門6 証券会社選びと口座開設
これまで説明してきた信用取引について、具体的にはどう始めたらよいのでしょうか。信用取引は現物取引と違って、証券会社からお金を借りたり、株を借りて取引します。そのため、口座開設の方法も現物取引のそれとは違います。このページでは、信用取引の始め方をわかりやすく解説します。
取引銘柄を踏まえた証券会社選び
信用取引では、全ての銘柄で信用買い・信用売りの取引ができるわけではありません。制度信用取引の場合、信用買いの対象は信用銘柄と貸借銘柄ですが、信用売りの対象は貸借銘柄のみです。また、一般信用取引では、一部を除いて、各証券会社が選定した銘柄での信用買いしかできません。
信用取引を始める前に、各銘柄の基本的な情報を確認する必要があります。信用買い・信用売りできるかどうかなどの情報は口座開設後に各証券会社の取引ツールで確認できます。国内株・信用取引の取扱銘柄数比較ランキングでは、各社の取扱銘柄を比較しています。
信用取引口座の開設の準備
信用取引を始めるためには、証券会社の総合証券口座を開設する必要があります。取扱銘柄や取引手数料・信用金利・貸株料など、自身の運用スタイルと相性の良いにピッタリな証券会社を改めて探してみましょう。国内株・信用取引の手数料比較ランキング、国内株・信用取引(制度/一般)の信用金利比較ランキング、国内株・信用取引(制度/一般)の貸株料比較ランキングでは、取引手数料や金利を比較しています。
信用取引口座の申込
総合証券口座を開設したら、信用口座開設の申込をしましょう。信用取引のリスクでも説明したとおり、現物取引と比べて信用取引はハイリスクハイリターンの取引です。各証券会社の信用取引のルールを熟読してから申込みましょう。最近では、多くの証券会社がインターネットから信用取引口座の開設を申し込めます。
信用取引のための審査
証券会社は通常、信用取引口座を申し込んだ人に対して、お金や株を貸し出すために与信の審査を行います。証券会社ごとに審査基準は異なりますが、一般的には株式投資の経験年数や、保有する金融資産などが審査項目となります。ほとんどの証券会社は、金融資産の額が100万円以上であることを条件としています。なお、電話審査が実施されることもあります。
無事審査が通れば、信用取引口座を開設できます。その後、信用取引口座開設のための必要書類が送られてくるので、必要事項を確認・記入して、申込を済ませましょう。約諾書には4,000円の収入印紙が必要です。申込用紙の返送後、書類に不備がなければ約1周間ほどで信用取引口座が開設されます。
証拠金の入金方法
最後に、信用取引に必要な委託保証金を準備しましょう。委託保証金は最低30万円以上で、且つ信用取引する代金の30%以上と法律で決められています。例えば、200万円の信用取引をする場合は60万円の委託保証金が必要です。
委託保証金は現金だけでなく株式や債券でも代用できます。ただし、一定の掛け率により価値が少し低く見積もられます。また、その時々の株や債券の時価によって、価値が変動しやすいので注意が必要です。
証拠金の預け入れが終わったら、あとは信用取引を始めるのみです。株の購入と売却方法は基本的に株取引全般で共通です。詳しくは、銘柄選びと売買の方法 | 株式投資入門を参照してください。