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信用取引入門2 信用取引とリスク

公開年月日 : 2016/09/30 更新年月日 : 2016/10/02

信用取引は手持ち資金の3倍までの取引ができ、限られた資金で収益を最大化させるためには有効な手段です。その反面、手持ち資金以上の損失を出す恐れもあり、ハイリスク・ハイリターンの取引といえます。このページでは、信用取引にはどんなリスクがあるのか、またそれらリスクをどう最小限度に抑えるかを考えます。

株取引全般と共通するリスク

現物取引・信用取引に共通するリスクは3つあります。購入時よりも株の価値が下がってしまう「元本割れリスク」、株の取引量が少ないために適切なタイミングや価格で株を売買できない「流動性リスク」、証券取引所での取扱が終了し、株が紙くず同然になってしまう「上場廃止・倒産リスク」です。詳しくは、「株式入門 株式投資のリスク」を参照してください。

信用取引特有のリスク

信用取引では、株取引全般に共通するリスクに加えて、信用取引特有のリスクが3つあります。

手元の資金以上の損失

手持ち資金の約3倍まで取引できる信用買いでは、期待する収益も拡大する反面、損失も大きくなる恐れがあります。例えば100万円の資金がある状態で、約300万円を借りるとします。もし全額投資した銘柄が30%値下がりすれば損失は90万円になります。

また、信用売りにはさらに大きなリスクが潜んでいます。例えば100万円で売却した株が500万円に値上がりした場合、損失は400万円になります。更に700万円に値上がりした場合は600万円の損失になります。信用買いでの損失には限度がありますが、信用売りの損失には限度がありません。

株価変動による保証金追加・強制決済

原価割れで生じた差額のことを含み損といいます。信用取引において、含み損は担保として用意した委託保証金に反映されます。委託保証金が潤沢にある場合は多少の損失では問題ありませんが、含み損が膨れて委託保証金でカバーできなくなった場合、保証金を追加で差し入れなければなりません。このことを追証といいます。レバレッジを最大限かけていた場合、わずかな損失でもすぐに追証の対象となっていまします。

また、保証金をお金ではなく株で用意している場合、その株価が下がって全体の評価額が証券会社の指定する補償金額を下回ったときにも追証の対象となります。追証が発生すると翌々営業日までに保証金を差し入れなければなりません。保証金を用意できない場合は、保有している株が強制的に決済されて、その返済にあてられます。

中長期的で大きくなる金利負担

信用買いでお金を借りる場合は信用金利が、信用売りで株を借りる場合には貸株料がかかります。どちらも1日の負担額は証券会社の定める2〜3%の年利を365日で割った金額です。

例えば手持ち資金100万円で、3倍のレバレッジを掛けて取引している場合、信用金利が年利3.0%であれば1年で支払う金額は300万円*3.0%で9万円になります。より大きな金額で取引するなら、金利の負担もより大きくなります。取引で利益が出ていても、信用金利や貸株料を支払った後には利益がマイナスになる恐れもあります。

リスク管理で損失を最小限に

信用取引に潜在するリスクがわかったところで、リスクを最小限に抑えるための対策を紹介していきます。

利食い・損切りのルール

利食いとは、含み益がでているときに利益を確定させて決済してしまうことを言います。逆に、損切りとは、含み損が出ているときに損失を確定させて決済してしまうことを言います。

含み益・含み損、どちらが出ている場合でも、「信用買いでは、購入時の株価を基準として3〜5%の値上がりで決済する」「信用売りでは、売却時の株価を基準として値下がりで決済する。」と、予めルールをつくっておきましょう。損失を抑え、着実に収益を生み出していくために、利食い・損切りの考え方は重要です。

適度なレバレッジ

信用取引は、手持ち資金の約3倍までレバレッジを掛けた取引ができます。少ない投資でより多くの収益を上げる方法として有用です。ただし、レバレッジをかけ過ぎると、株価が動いて含み損が生じる度に委託保証金の追加、つまり追証を要求されます。

最適なタイミングで決済したい、運用コストを掛けたくない、そう考えるなら多少の値動にでも耐えられるくらいのレバレッジに抑えておく必要があります。

証券会社の選び方

信用取引をする場合も、証券会社選びは重要です。短期的な取引を考えるならば、信用金利や貸株料よりも、手数料の安さを重視すべきです。中長期的な取引を考えるならば、信用金利を抑えたほうがよいでしょう。

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