有価証券の評価替え:決算で有価証券の評価額を財務諸表に反映するルールと仕訳を解説
このページでは、決算整理事項のひとつである有価証券の評価替えに関するルールや仕訳方法について解説します。
有価証券の評価替えとは
有価証券を購入した時は取得原価で記帳します。
ところが有価証券は、購入した後も市場で売買されるので日々市場価値が変化します。100円で買った株が50円に下がるかもしれないし、150円に上がるかもしれません。
財務諸表には財務状態と経営成績を明らかにする目的が課せられているため、最新の市場価値を反映しなければいけません。
大量に購入した株が紙屑になることもあり得るため正確に示す必要があります。
前置きが長くなりましたが、この有価証券の市場価額を帳簿に反映する作業を評価替えといい、決算整理事項のひとつです。
有価証券の評価替えの仕訳ルール
評価替えは、帳簿価額(簿価)と市場価額(時価)を比較して、値上がりしている時は有価証券評価益(収益グループ)を貸方(右側)に、値下がりした時は有価証券評価損(費用グループ)を借方(左側)に記入します。
これと同時に対象となる有価証券勘定(資産グループ)を増減させます。
それでは仕訳を確認しましょう。
決算において、所有しているA社の株式が取得原価8,500円に対して時価が9,000円だったため評価替えを行った
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
売買目的有価証券 | 500 | 有価証券評価益 | 500 |
取得原価8,500円<時価9,000円なので、評価益が発生します。貸方(右側)に有価証券評価益勘定(収益グループ)を記入します。
決算において、所有しているA社の株式が取得原価8,500円に対して時価が6,500円だったため評価替えを行った
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
有価証券評価損 | 2,000 | 売買目的有価証券 | 2,000 |
取得原価8,500円>時価6,500円なので、評価損が発生します。借方(左側)に有価証券評価損勘定(費用グループ)を記入します。
以上が、有価証券の評価替えに関する仕訳に関する解説です。
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