資本引出金の振替え:決算時に資本引出金の残高がある場合の振替え作業と仕訳ルールを解説
公開年月日 : 2018/07/06
更新年月日 : 2018/08/30
決算整理事項最後の論点、資本引出金の振り替えについて勉強しよう!
資本金の引出の内容を忘れてしまった人は資本の引出し:お店の資本金を引き出した時の仕訳の方法や注意点を解説をお読みください。
決算整理における資本引出金の振替えとは
会社の資本金を引き出した場合は、資本金、引出金何れかの勘定科目を使って仕訳をします。
詳しいことは資本の引出し:お店の資本金を引き出した時の仕訳の方法や注意点を解説のページをご覧ください。
資本金勘定を使う場合の仕訳は次の通り。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
資本金 | 1,000 | 現金 | 1,000 |
一方で、引出金勘定を使う場合の仕訳は次の通り。いずれも純資産グループの勘定科目です。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
引出金 | 1,000 | 現金 | 1,000 |
資本金勘定は純粋に資本金の金額を表しますが、一方の引出金勘定は引き出した金額を表す勘定科目です。
したがって、決算時に引当金勘定の残高がある場合は資本金勘定の金額へ振り替えなければいけません。
これが、決算整理における資本引出金の振替え作業です。
資本引出金振替えの仕訳例
期末に引出金勘定の残高が1,000円あったため資本金勘定に振り替えた
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
資本金 | 1,000 | 引出金 | 1,000 |
引出金(純資産グループ)残高1,000円を資本金に振替えたので、資本金が減少するため資本金を借方(左側)、引出金を貸方(右側)に記入します。精算表は下の通りになります。
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