試算表:総勘定元帳へスムーズに転記するための一覧表の内容を解説
公開年月日 : 2018/07/06
更新年月日 : 2018/08/30
このページでは、総勘定元帳への転記に誤りがないか確認するための一覧表である試算表の種類とその内容を解説します。
試算表とは
試算表とは、期中取引において仕訳帳から総勘定元帳への転記に誤りや漏れがなかったか最終チェックするための一覧表のことです。
決算時は必ず作成しますが、月次、週次で作成する企業もあります。
試算表には3つの種類があります。合計試算表、残高試算表、合計残高試算表です。
このページでは3つの試算表の内容を解説します。
試算表名称 | 内容 |
---|---|
合計試算表 | 勘定ごとに借方、貸方に記入された金額の合計を記載 |
残高試算表 | 勘定ごとに借方、貸方に記入された金額合計の差額(残高)を記載 |
合計残高試算表 | 勘定ごとに借方、貸方の金額合計と差額(残高)を記載 |
合計試算表:勘定ごとに借方・貸方に記入された金額の合計
合計試算表とは、勘定ごとに借方、貸方に記入された金額の合計が記載された試算表です。
たとえば、現金勘定の合計が借方9,500円、貸方1,200円の場合、下の通りに記載します。
現金勘定以外の勘定も同様に借方合計、貸方合計を記載します。すべての勘定の記入が終わると借方、貸方それぞれの合計が必ず一致します。
残高試算表:勘定ごとに借方、貸方に記入された金額合計の差額(残高)
残高試算表とは、勘定ごとに借方、貸方に記入された金額の差額(残高)が記載された試算表です。
たとえば、貸方9,500円、貸方1,200円の場合、差額の8,300円を残高として残高試算表の借方に記入します。
合計残高試算表:勘定ごとに借方、貸方の金額合計と差額(残高)
合計残高試算表は、勘定ごとに借方、貸方の金額合計と差額(残高)が記載された試算表です。合計残高試算表と残高試算表の内容をひとつの表にまとめたような試算表です。
借方合計、貸方合計欄には合計試算表の内容が、借方残高、貸方残高には残高試算表の内容が記載されています。
第3章 決算手続き コンテンツ一覧
- 決算手続きの流れ:貸借対照表と損益計算書を作成する一連の流れを解説
- 試算表:総勘定元帳へスムーズに転記するための一覧表の内容を解説
- 精算表:財務諸表を作る過程で使用する一覧表のフォーマットや記入方法を解説
- 現金過不足:帳簿と実際の現金残高に差異があった時の決算整理の方法を解説
- 売上原価計算:売上原価、売上総利益の計算方法を解説
- 消耗品:期末の消耗品在庫の処理方法を解説
- 貸倒引当金の設定:得意先の倒産や未払いに備えたお金の設定、仕訳方法を解説
- 有価証券の評価替え:決算で有価証券の評価額を財務諸表に反映するルールと仕訳を解説
- 固定資産の減価償却:取得した固定資産の価値を費用計上する方法、仕訳ルールを解説
- 費用・収益の繰延べと見越し:決算日を跨いだ費用・収益の調整方法と仕訳ルールを解説
- 資本引出金の振替え:決算時に資本引出金の残高がある場合の振替え作業と仕訳ルールを解説
- 損益勘定振替:収益と費用の差額を計算して当期純利益(損失)を求める方法を解説
- 資本振替:当期純利益(損失)を資本金に反映する方法と仕訳ルールを解説
- 勘定の締め切り:勘定科目ごとに翌期に持ち越す残高を確定させる作業方法を解説
- 繰越試算表の作成:翌期に繰り越す勘定科目の残高の正確性を確認するための帳簿の作成方法を解説
- 財務諸表の作成:日商簿記3級試験で貸借対照表と損益計算書を作成する方法と注意点を解説