決算手続きの流れ:貸借対照表と損益計算書を作成する一連の流れを解説
このページでは、会計期間中に記録された仕訳をもとに貸借対照表と損益計算書を作成する決算手続きの流れを解説します。
決算手続きとは
決算とは会計期間中に記録された内容を整理して、貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)を作成する一連の作業のことをいいます。また、会計期間の末日のことを決算日といいます。
決算手続きのステップ
決算手続きは大きく4つのステップに分類されます。
決算手続きの流れ STEP① 試算表作成
試算表とは、各勘定の合計もしくは残高を集計した一覧表のことで、決算の時にはこれまでに転記した勘定の内容が間違っていないか最終チェックを行うために作成します。決算手続きには欠かせない一覧表です。
詳しくは試算表:総勘定元帳へスムーズに転記するための一覧表の内容で解説します。
決算手続きの流れ STEP② 決算整理
試算表を作成して最終チェックすることで期中の取引が正確に仕訳されたことが確認できますが、それでも決算日現在の財務状態や経営成績を正確に反映できない項目がいくつかあります。
たとえば、有価証券や固定資産の価値は決算日の価値を財務諸表に反映するためには、決算日の評価額を算出して反映する作業が必要です。この手続きを決算整理といいます。また、決算整理を必要とする事項を決算整理事項と言います。
日商簿記3級試験で出題される決算整理事項は次の8つです。
決算手続きの流れ STEP③ 勘定締め切り
決算手続きの流れ STEP③ 勘定締め切り
したがって、決算整理完了後、次期会計期間に繰り越される勘定の残高を集計する必要があります。この作業を勘定の締め切り、決算振替仕訳といいます。ここで作成される一覧を繰越試算表と言います。
決算手続きの流れ STEP④ 財務諸表の作成
ここまで整理した情報を基に貸借対照表と損益計算書を作成します。
財務諸表の作成:日商簿記3級試験で貸借対照表と損益計算書を作成する方法と注意点を解説で解説します。
第3章 決算手続き コンテンツ一覧
- 決算手続きの流れ:貸借対照表と損益計算書を作成する一連の流れを解説
- 試算表:総勘定元帳へスムーズに転記するための一覧表の内容を解説
- 精算表:財務諸表を作る過程で使用する一覧表のフォーマットや記入方法を解説
- 現金過不足:帳簿と実際の現金残高に差異があった時の決算整理の方法を解説
- 売上原価計算:売上原価、売上総利益の計算方法を解説
- 消耗品:期末の消耗品在庫の処理方法を解説
- 貸倒引当金の設定:得意先の倒産や未払いに備えたお金の設定、仕訳方法を解説
- 有価証券の評価替え:決算で有価証券の評価額を財務諸表に反映するルールと仕訳を解説
- 固定資産の減価償却:取得した固定資産の価値を費用計上する方法、仕訳ルールを解説
- 費用・収益の繰延べと見越し:決算日を跨いだ費用・収益の調整方法と仕訳ルールを解説
- 資本引出金の振替え:決算時に資本引出金の残高がある場合の振替え作業と仕訳ルールを解説
- 損益勘定振替:収益と費用の差額を計算して当期純利益(損失)を求める方法を解説
- 資本振替:当期純利益(損失)を資本金に反映する方法と仕訳ルールを解説
- 勘定の締め切り:勘定科目ごとに翌期に持ち越す残高を確定させる作業方法を解説
- 繰越試算表の作成:翌期に繰り越す勘定科目の残高の正確性を確認するための帳簿の作成方法を解説
- 財務諸表の作成:日商簿記3級試験で貸借対照表と損益計算書を作成する方法と注意点を解説