消耗品:期末の消耗品在庫の処理方法を解説
このページでは、決算整理事項のひとつである消耗品の処理方法について解説します。
日商簿記3級試験の決算整理事項の中では、易しい分野です。
消耗品とは
消耗品とは、コピー紙やボールペンなどの事務用品のように、すぐに消耗してしまうものを指します。
しかし、購入した消耗品は、使ったものは費用、残っているものは資産として計上しなければいけません。
この処理を決算時に行います。
処理の方法は下の通り2通りあります。
- ① 購入時に費用計上→決算時:残った消耗品を資産振替
- ② 購入時に資産計上→決算時:使った消耗品を費用振替
いずれかの方法で処理しますが、日商簿記3級試験では、問題文で処理方法を指定される場合が多いので指示に従って回答しましょう。
購入時に費用計上する方法の仕訳
購入時に費用で処理する方法は、購入した際に費用の増加として消耗品費勘定(費用グループ) を借方(左側)に記入します。
消耗品1,000円を購入し、代金を現金で支払った
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
消耗品費 | 1,000 | 現金 | 1,000 |
決算時に消耗品が残っていた場合は、消耗品費勘定(費用グループ)を消耗品勘定(資産グループ)に振替えます。
下の例では、100円分の消耗品が残っていたため、消耗品勘定(資産グループ)を借方(左側)に、消耗品費勘定(費用グループ)を貸方に記入します。これによって100円分の費用が資産に振り替えられます。
消耗品の期末残高が100円であったため、決算整理を行う
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
消耗品 | 100 | 消耗品費 | 100 |
購入時に資産計上する方法の仕訳
購入時に資産勘定で処理する場合は、購入した際に資産の増加として消耗品勘定(資産グループ) を借方(左側)に記入します。
消耗品1,000円を購入し、代金を現金で支払った
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
消耗品 | 1,000 | 現金 | 1,000 |
決算時には使用した分の消耗品を消耗品費勘定(費用グループ)に振替えます。
期中に購入した消耗品1,000円分のうち期末残高が100円であったため、決算整理を行う
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
消耗品費 | 900 | 消耗品 | 900 |
第3章 決算手続き コンテンツ一覧
- 決算手続きの流れ:貸借対照表と損益計算書を作成する一連の流れを解説
- 試算表:総勘定元帳へスムーズに転記するための一覧表の内容を解説
- 精算表:財務諸表を作る過程で使用する一覧表のフォーマットや記入方法を解説
- 現金過不足:帳簿と実際の現金残高に差異があった時の決算整理の方法を解説
- 売上原価計算:売上原価、売上総利益の計算方法を解説
- 消耗品:期末の消耗品在庫の処理方法を解説
- 貸倒引当金の設定:得意先の倒産や未払いに備えたお金の設定、仕訳方法を解説
- 有価証券の評価替え:決算で有価証券の評価額を財務諸表に反映するルールと仕訳を解説
- 固定資産の減価償却:取得した固定資産の価値を費用計上する方法、仕訳ルールを解説
- 費用・収益の繰延べと見越し:決算日を跨いだ費用・収益の調整方法と仕訳ルールを解説
- 資本引出金の振替え:決算時に資本引出金の残高がある場合の振替え作業と仕訳ルールを解説
- 損益勘定振替:収益と費用の差額を計算して当期純利益(損失)を求める方法を解説
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- 繰越試算表の作成:翌期に繰り越す勘定科目の残高の正確性を確認するための帳簿の作成方法を解説
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