NISA入門2 NISAのデメリット
株や投資信託で得た利益に税金がかからないことや、確定申告の必要もないことで人気を集めるNISAですが、100点満点ではありません。このページでは、NISAのデメリットを説明します。
目次
損益通算/損失繰越による節税ができない
損益通算ができない
通常、株の取引や投資信託で損失が出た場合、他で計上した利益の合算から損失分を引いて、課税の対象となる金額を少なくする「損益通算」が可能です。しかし、NISA口座での取引では、この損益通算が利用できません。そのためNISAで損失を出しても、税金を減額できません。株式投資の税金については、株式投資の税金 | 株式投資入門も参照ください。
3年間の繰越損失ができない
損失繰越とは、株や投資信託の損失を翌年以降に繰り越すことをいいます。繰越が有効な期間は最大3年までです。例えば、今年100万円の損失を出した場合、次の3年間で利益の合計が100万円を超えない限り税金は一切かかりません。損失と利益を相殺すると利益が0円になるからです。しかしNISA口座の取引では、この繰越損失が利用できません。
取引できる商品は限定的
信用取引は対象外
信用取引では、証券会社からお金や株を借りることで、手持ちの資金の約3倍の取引ができます。より少ない資金でより大きな利益を狙う場合や、下げ相場で利益を狙う場合に有効な取引手法ですが、NISA口座では信用取引が一切認められていません。
外国株や海外ETFはNISA対象外の場合も
国内株式や、国内ETF(上場投資信託)、国内REIT(不動産投資信託)、国内ETN(上場投資証券)などの金融商品は、NISA口座でも取引できる証券会社が多いです。しかし、外国株や海外ETFへの対応は、各社で大きく違います。各証券会社の金融商品が、NISA口座でも取引できるかどうかを事前に確認しておきましょう。なお、SBI証券・マネックス証券・楽天証券では、NISA口座で外国株や海外ETFの取引が可能です。
非課税の対象は新規取引のみ
NISA口座にて非課税の対象となるのは、口座開設後に「新規」購入した銘柄の値上がり益や配当金です。所有している銘柄をNISA口座に移管して売却益を得ても、非課税にはなりません。
また、証券口座にある株式を売却して、NISA口座で同じ銘柄・株数を購入すれば、擬似的には同じ環境をつくれます。しかし、その時点で売却益が出ていれば、その利益に対して税金がかかります。