ウェルスナビによる資産運用は有効か?NISAやiDecoと比較して検討してみた
預かり資産1,400億円、運用者数12万人を超えて、人気絶好調の資産運用サービス「ウェルスナビ」。銘柄選びからリバランス、分配金の再投資まで全自動で、「楽して資産を増やす」点が最大の魅力です。では、ウェルスナビは誰にとっても有効なのでしょうか。本記事では、NISAやiDecoでの運用も視野に入れた上で、ウェルスナビの可能性について紹介します。
目次
ウェルスナビとは?
やることは入金だけ!AIが世界中の金融商品に分散投資
WealthNavi(ウェルスナビ)は、AIによるロボアドバイザーが、自動的に海外ETFを通じて世界中の株や債券、金や不動産などに分散投資してくれます。どんなバランスにするか、どの銘柄を選ぶか、途中のリバランスはどうするか。これらはAIが全て自動で決めてくれます。
必要なのは、目標を決めて入金するだけ。この簡単さが人気の理由の一つです。
最低投資金額は10万円、積立は1万円単位で可能
AIが最適ポートフォリオを組んでくれたら、あとは入金するだけ。最低投資金額の10万円が最初に必要ですが、これ以降は月1回1万円から自動で積立できます。積立コースには、月1回定額、月5回定額、複数回定額、カスタムの4コースがあります。
ウェルスナビの手数料は預かり資産の1%と信託報酬(0.11%〜0.14%)
ウェルスナビの手数料は、預かり資産3,000万円までが年率1.0%で、それ以上は0.5%です。ネットバンキングによる入出金、為替手数料やリバランスなどは全て無料です。
手数料 | 預かり資産(3000万円以下) | 年率1.0%(税別) |
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預かり資産(3000万円超) | 年率0.5%(税別) | |
入金 | クイック入金 | 無料 |
自動積立 | 無料 | |
金融機関振込 | お客様負担 | |
出金 | 出金手数料 | 無料 |
取引 | 売買手数料 | 無料 |
為替手数料 | 無料 | |
為替スプレッド | 無料 | |
リバランス | 無料 | |
口座開設 | 無料 |
ウェルスナビには「長期割」があり、預かり資産が50万円の場合は6ヶ月ごとに0.01%ずつ、200万円以上なら0.02%ずつ手数料が減り、最大0.90%まで割引されます。
ウェルスナビのメリットは、ポートフォリオ構築からリバランス、再投資まで全自動なこと
AIによって自動構築される最適ポートフォリオ
ウェルスナビでは、運用開始時に目標金額や月々の積立額、運用期間をシミュレーションします。それにによってリスク許容度が決まり、AIが最適なポートフォリオを構築してくれます。ポートフォリオのバランスが途中で乖離しても問題ありません。半年に1度はAIがポートフォリオをチェックして、場合によってはリバランスしてくれるからです。
最適ポートフォリオとの乖離が小さく、リバランスの必要がないと判断された場合は、リバランスによる売買は行われません。
配当金の再投資も全自動
ETFの分配金が発生した場合は、口座に入金されて、ポートフォリオの現金が増えます。この現金が目安として資産評価額の0.4%を超えると、自動的に追加投資されます。複利での運用も手間いらずです。
ウェルスナビの運用実績:約1年間100万円を運用した結果
100万円を入金した結果、現在96万円に
暮らしの達人編集部のメンバーがウェルスナビに100万円を投じて1年運用したところ、現時点では資産総額が96万円で、元本割れしています。
2018年は、米中貿易摩擦や英国の欧州連合離脱問題の混迷など、世界経済の先行きに不透明感が高まりました。ウェルスナビでの運用も、2018年12月に86万円まで下げていました。しかし、その後は103万円まで上昇する場面もありました。
結局、優れたアルゴリズムを駆使するAIと言えど、投資の世界で常勝できるわけではありません。上がるときもあれば下がるときもあります。一喜一憂せずに、達成確率を信じで運用することが大切だと思います。
ウェルスナビの評判は?デメリットはあるのか
筆者の場合は、現時点ではマイナスになっていますが、他の投資家の様子はどうでしょうか。Twitterを見てみると、こんな感じでした。
2017年1月から完全放置しているウェルスナビ、順調に増えてます。積立額を変えた以外は設定いじってません。投資がなんだかわからない人は、まずはウェルスナビあたりからはじめて勉強してみるのがいいですね。https://t.co/WeG6q5VMfv pic.twitter.com/G3dQRmFGeg
— イケハヤ社長@YouTubeコンサル (@IHayato) 2019年3月20日
#wealthnavi #ウェルスナビ
— a_poorly_made_face (@a_poorly_made) 2019年4月12日
4/13 +10.17%
利益の増え方がえげつない。。
ちなみに、初期投資額の10分の1ずつ、毎月積立してます。
手数料高いけど、これなら満足かな pic.twitter.com/81QO6nodbg
ポートフォリを構築からリバランス、再投資まで全自動がウェルスナビの最大のメリットですが、実際に運用期間中にプラスになるかどうかは、ノーベル賞受賞者の理論がベースになっているAIとはいえ、神のみぞ知るの領域だと思います。また手数料1%が高いので、それだったら自分で買付する、という意見もありました。
@FREETONSHA
— えんどう@新卒サラリーマン (@yendoxyz) 2019年5月25日
三菱サラリーマンさんに質問なのですが、ウェルスナビについてどう思いますか?
自分は毎月それに積み立てて1年は経過したのですが、手数料が年1%で毎月少しずつ引かれていくのが悲しくてやめようか考えています(泣)
ただ積立投資なので続けることが大切なのかなーとも思っております。
米ETFで運用するロボアドバイザーのWealthNaviに一口預けてあるんだが、いま入出金明細見てみたら、運用手数料が毎月250〜280円くらい引かれてて、めちゃ高いなぁ。米ETFは分配金が高いので年平均では手数料をまあまあ上回るが、分配金が手数料を下回る月もあるので、こりゃ微妙だわ。
— MOTO-HAL Japan (@advernya) 2019年5月18日
これまでの内容を鑑みて、暮らしの達人として考えたことを次章で紹介します。
投資初心者は、まずはNISAやiDeCoに投資すべき!それでも余剰資金がある人や、投資を始めたいけど悩んでいる人におすすめ
実際に、暮らしの達人編集部がウェルスナビにて資産運用してみて考えたことは、「資産運用では、まずNISAやiDeCoなどの手数料が安くて、節税効果の高い金融商品に資金を回すべき」「その上で、程度余剰資金があるならばウェルスナビで運用する」でした。その理由を説明します。
【長期運用】節税効果の高いNISAやiDecoを選ぶべき
長期的な資産運用を考える場合、手数料や信託報酬などのコストを押させるかが、最も大切です。ちょっとした金額の差でも、複利で運用すると将来的には大きな金額なります。
NISAなら国内株式や投資信託の多くを手数料無料で売買できます。投資信託の場合は、売買手数料以外に信託報酬が必要ですが、インデックス型であれば運用資産の0.5%以下、アクティブ型であれば1.0%以下の商品も多くあります。そして運用益に対しては税金が全くかかりません。
iDecoの場合は、加入時に国民年金基金が2,777円必要です。売買できる投資信託は、インデックス型であれば運用資産の0.5%以下、アクティブ型であれば1.0%以下の商品もあります。さらに、掛け金が全額所得控除されるので大きな節税効果があります。
これら条件を考えると、「手数料が1%」「節税効果なし」ウェルスナビよりも、NISAやiDecoの方がメリットが大きいと言えます。
【短期運用】銘柄を選別して集中投資するべき
ウェルスナビは、リスク許容度に対して最適なポートフォリを自動構築し、長期間に渡って分散投資することで、資産の目標金額を目指します。そのため、そもそも短期運用には向いていません。
もし短期的に儲けたいなら、国内株や外国株の特定の銘柄に投資を集中するべきでしょう。もちろんハイリターンを狙う投資には、ハイリスクが伴います。
資産運用をとりあえず体験してみたい人にはおすすめ
ウェルスナビがNISAやiDecoよりも圧倒的に優れてる点が、「資産運用の始めやすさ」です。ポートフォリオを考える必要も、自分で銘柄を選ぶ必要もありません。
「いつ、どれくらい買えばいいのかわからない」「投資を始めたいけど何を選べば良いかわからない」という人は、まずはウェルスナビで投資を始めてみて、時事ニュースと値動きを追ってみたり、リスク許容度とポートフォリオの関係性や、結果として利回りがどうなるかなど体験するには、よい投資先と言えます。
ウェルスナビの資産運用方法と手順
1.資産運用のシミュレーションと口座開設
無料診断では、6つの質問からリスク許容度を算出して、30年後にどれくらいの資産になるかをシミュレーションしてくれます。
編集部が無料診断したところ、「リスク許容度は3/5」でした。積立額に「月3万円」を選んだところ、1,180万円の投資が70%の確率で1,921万円以上になるそうです。50%の確率で2,443万円、30%の確率で3,160万円になると診断されました。
診断結果画面から、口座開設の申込に進みます。必要情報を入力し、免許証やマイナンバーなどの身分証をアップロードすると、口座開設の申込は終了です。
2.AIが最適なポートフォリオを自動構築
資産はその組み合わせによって、リスクや期待されるリターンが変わります。リスクが同じなら、その中で期待されるリターンが最も高い組み合わせを選びたいものですよね。
ウェルスナビでは、ノーベル賞受賞者が提唱する理論に基づく金融アルゴリズムで、自分に最適のポートフォリオを自動で構築します。手間も時間も全くかかりません。
3.運用資金を入金
インターネットバンキングを利用すれば、手数料無料の「クイック入金」を使えって24時間365日、リアルタイムに口座へ入金できます。もちろん、ATMや金融機関の窓口から口座に振り込む通常振込も使えます。
出金の場合は、最短3営業日で指定の口座に送金されます。出金手数料はかかりません。
4.AIが最適な銘柄を自動で買付
リスク許容度を決定し、最低投資金額の10万円以上を入金すると、最短でその日の夜に自動でETF(上場投資信託)を買付が始まります。翌朝にはポートフォリオを確認できます。
5.積立投資は積立額と頻度を選べる
ウェルスナビは、自動積立も可能です。月1回定額、月5回定額、複数回定額、カスタムの4コースの中から選べます。感情に左右されることなく、機械的に運用資産を積立できるので、初心者にとってもプラスです。
6.分配金は自動で再投資
資産運用によって生まれた分配金は、一定額以上になると、自動で再投資されます。分配金を引き出さずに再投資し続けることで、「複利効果」による資産の成長が期待できます。
7.リバランスはAIが半年ごとに実施
ウェルスナビは、投資家のポートフォリオを個別にそして継続的にモニタリングしています。ポートフォリオのバランスが一定以上崩れた場合や、前回のリバランスから半年経過した場合に、自動的にリバランスされます。
追加投資あるいは一部出金した後は、取引後のポートフォリオが最適な配分に近づくように売買する銘柄や口数を選定し、リバランスの効果を実現します。
8.税金の負担額を自動で最適化
DeTAXは、「譲渡益に対する税負担」を自動的に最適化してくれます。具体的には、ポートフォリオの中に含み損がある銘柄があれば、店頭取引によりその銘柄を一旦売却し、それと同時に「同じ銘柄を、同じ数量、同じ価格」で買い戻します。
これにより、ポートフォリオの構成を維持したまま、その年の税負担の軽減を計ります。利益により生じる税負担が2万円以上となる場合を目安として、DeTAXによる取引を自動的に行われます。
9.確定申告
ウェルスナビの確定申告も、開設講座の種類によって申請が異なります。ややこしいことはしたくない、という人は、講座開設時に「特定口座」「源泉徴収あり」を選びましょう。これによって、確定申告に必要な作業はウェルスナビ側でやってくれるので、楽チンです。
ウェルスナビのキャンペーン
ウェルスナビでは割と頻繁にキャンペーンを実施しているようです。
- 2019/5/1 – 2019/7/1:招待キャンペーン
- キャンペーン期間中にご家族・ご友人をWealthNaviに招待した方に最大15,000円プレゼント、さらに招待を受けた方にも500円プレゼントします。
- 2019/4/2 – 2019/5/31:WealthNavi新規ご利用キャンペーン
- キャンペーン期間中に始めて示唆ぬんようを開始し、かつ30万円以上の残高があるお客様に、3ヶ月分の手数料をキャッシュバックします。
- 2019/2/19 – 2019/5/22:積立開始キャンペーン
- キャンペーン期間中にエントリーを行い、3ヶ月連続で自動積立を行なったお客様に最大5,000円の現金プレゼント。
口座開設を申込するまえに、ウェルスナビのキャンペーン情報はチェックしておくと良いでしょう。